【ｄ！】死んだけど、成仏できないので働きます。 (ページ20)

今日:5 hit、昨日:16 hit、合計:62,851 hit

番外編ページ20

時は少し遡り、総統閣下の仕事部屋にて。

gr「あー…仕事が終わらんのじゃー…トントンは口うるさく釘刺してったしなぁ」

我々国の総統閣下であるグルッペンは、今日で5徹目。

寝たいと思いながらも、目の前にあるのは承認要請と武器や戦車の在庫の管理報告書から

部隊の報告書やら経済管理所提案書………仕事が山積みになっている。

gr「この間遊びすぎたしな…休めん」

うへぇと思いながらペンを持ちまた静かに仕事をする。

ふと、机のハジの方に置いてある懐かしい写真を目に留め、ペンを置いて手に取った。

この国ができる前から存在しているこの写真は，紛れもなくアルバートが映った

世界で一枚だけの写真である。

gr「…アルバート。そういえば、この国ができる幾らか前の王族の苗字と同じで
　調べさせた事もあったっけな。アイツ自分の出どころは知らんかったみたいやし」

懐かしいなぁとグルッペンが写真を見ていると、

隣にふとこれまたアルバート…Aに似た気配が現れる。

驚いたままなんとなしに振り向かず写真を見たまま声に出した。

gr「Aがおったら、ここはもっと騒がしくなるんだろうか」

『なんだそれ失礼な？！』

gr「……いや、アイツの事だからゾムあたりにでも気に入られるんだろう」

『よくお分かりで』

ふ、と目を閉じて笑ったグルッペン。

gr「さて、幻聴か幻覚かは知らないが
　よき仲間もそばにいてくれてるらしい。もう一踏ん張りして頑張るか！」

『何？幻聴？あ、うん頑張れーーー！！』

グルッペンが伸びをしてまたペンを持つ。

隣で窓辺に座っていたAはぴょいと相当閣下の部屋を降り去った。

しばらくカリカリと，またペンを動かす音だけが部屋に響く。

グルッペンは一人ぼそりとつぶやいた。

gr「前々から言っていた赤髪の幽霊…やっぱお前やったか。
　ふ、何も変わってないんだな。A。」

数時間後

tn「え？あの量を一人で終わらせたァ？！」

gr「なんだ、終わらせなくてもよかったのか」

tn「あの脱走魔のグルさんが…？！熱あるんか？！」

gr「失礼だゾ！とにかく終わらせたんだから取り上げたケーキを出せ！！」

トントンは心底びっくりした様子で

近くにいた執事にケーキを取りにいくよう言いつける。

グルッペンはどこか誇らしげに机の端にたててある写真縦を見ながらにやけるのであった。

tn「ええ…グルさん…なんか今日気持ち悪いで」

gr「なっ…！失礼だゾ！！」