【ｄ！】死んだけど、成仏できないので働きます。 (ページ16)

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第五十九話ページ16

shp「なんで帰ってあげないんすか」

街を見ながらそう問うてきたショッピさん。

いやまぁ…色々理由はあるんですけど。

shp「…俺、貴方のことは写真でしか見たことないですし
　よくしらないですけど。シャオロンさんがあそこまであなたを必死に探してるんで、
　何に悩んでるかわかんないっすけど大丈夫だと思いますよ」

『なんだそれｗ』

shp「シャオロンさんはくそ先輩とまでは行きませんが
　正直でまっすぐな人です。それゆえに人を選びますし、気に入らんかったら
　わかりやすく噛みつきます。」

サルの一つ覚えみたいに、と半分煽りながら話を進める彼の話を

街を眺めながら聞く。

風が吹いていて気持ちがいい。

shp「だから、そのシャオロンさんが好いているなら
　あんたはそんなに悪い人じゃないです。シャオロンさんがあんたを信用しているんだから、
　あんたはあんたを信用せなあかんとちゃいますか」

芯の通った声で言われた言葉が、素直に心に届いた。

この年になって泣く、なんてことはないけど(いやハンバーグの時は泣いてないから認めない)

どこか絡まっていた俺の心がほぐれて、形が視える。

そうだ、俺は元々この軍についてる働き者。

今でもトントンの書類整理をこっそり手伝ったり、グルッペンの脱走の時に

追手がくるからそれをぶち殺したり、報告をロボロさんにしたりしてる結構な働き者。

あの三人を守れれば、それでいい。

そんで、あの三人が守っている人と、この国の行く末を傍で見ていられたらそれでええんや。

ちょっとこんな単純なこと、忘れとったな。

危ない危ないｗｗ

『せやな。俺が俺を信じなきゃいけない、か。』

shp「普通にきてください。あの人煩いんで。」

『ははｗうるさい言われてるじゃんｗ』

shp「オスマンさんがそろそろ気が付き始めますよ」

『それはいかん』

すくっと立ち上がった俺を見て、すこし安心した顔をしたショッピさん。

心配をかけていたみたいだ。でも、もう大丈夫だな。

shp「俺の事、ショッピでいいですよ。
　ため口で構わないっす」

『え？ほんと？』

shp「マ」

『マ…ありがとう！！！』

にかっと笑ってひゅんっと木の下に降りる。

手を地面についてからぴょーんっと飛びながら

『ほんなら俺言ってくるわーー！！！』と叫んでその場を離れた。

声をかけてきてくれたショッピ君には感謝だな、と思いながらシャオロンを探す。

急に出てきたらびっくりするだろうなｗ