第十二話 ページ14
俺はその日、ボールをもって公園に遊びに行っていた。
木登りをしたり、ボールでその場にいた子供たちと遊んだりしてその日も笑っていた。
しかし、突然サイレンが鳴り始め子供たちも逃げ始める。
自分も学び舎でサイレンが鳴ったらまずは隠れる、そして様子を見て逃げるということを
教わっていたから、とっさに茂みに隠れて頭を守っていた。
周りから大きな音が聞こえてくる。
熱い風がのどを焼けるように襲ってきて、とても痛い。
震えたその小さな両手で必死に自分を守っていた。
数時間たったころ、爆音や飛行機の音が遠ざかった隙に俺は家に走った。
母さんは足が悪いんだ。
だから、逃げ遅れているかもしれないと思った。
俺がそこで見たのは、いつもの玄関先で迎えてくれる優しい笑顔の母さんや
父さんが大切に育てている木花や畑ではなく
瓦礫と化してところどころに血がこびりついている建物だった何か、だった。
母さんはいつもの玄関にいた。
……冷たくなって、そこにいた。
きっと、母さんのことだ。俺を心配して、ここで待っててくれたんだと分かった時には
自分の無力さに拳を握り締め、歯を食いしばった。
前が涙で見えない。
遠くのほうでサイレンが鳴っている。
人々の絶望の声が聞こえてくる。
命が絶える音が、たくさんたくさん襲ってくる。
もうここには、大好きだった安寧の地はどこにもないんだ。
『…ごめん、母さん。僕、行かなきゃ。』
母さんのしていたネックレスだけをもって、俺は走り出した。
街へ行かなければ。
食料を確保しなくては、生きることはできない。
ほとんどの家屋の男が戦争に駆り出されたと聞いた。
そうだ、あの父さんが母さんを置いて逃げるはずがない。
そんなことをするくらいなら一緒に死ぬような人だ。
最期まで、愛する人のそばにいてひとりにしないような、優しい人だ。
多分、父さんも戦争に駆り出されて行ったんだろう。
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海老天2(プロフ) - 神ですね。ありがとうございます (2022年8月1日 19時) (
レス) @page4 id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
＠優斗（まさと）(プロフ) - 柚衣さん» あざます！初心者のゴミ副産物なので上手く行かない事も在りますがよろしくお願いします！ (2022年8月1日 17時) (レス) id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
＠優斗（まさと）(プロフ) - はく。さん» あ成程？そういえばそうやん俺馬鹿やん！！ｗ何度もすいません！！ｗ (2022年8月1日 17時) (レス) id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
はく。 - ＠優斗（まさと）さん» 再度失礼します。『我.々だ』のところを検索避けしてほしいという意味ですm(__)m (2022年8月1日 17時) (レス) id: a5036f3c9c (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続き、めちゃくちゃ楽しみです！更新頑張って下さい、応援してます(*≧∇≦)ﾉ (2022年8月1日 13時) (レス) @page3 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優斗_1128 x他2人 | 作成日時：2022年8月1日 10時
