第十一話 ページ13
ふわぁ、と今日も欠伸をする。
まぁ、幽霊になってやってることといえば昼寝だな。
たまに街に下りたりするが、基本この静かな城の屋根の上や、
お気に入りの木の上で寝ていることが多い。
『今日あたり、か』
なんとなく呟く。多分、今日あたりに戦争が始まるんだろう。
……そして、俺が消える日も多分今日だ。
もうかすっかすになった俺の体を横目に、ごろんと寝転がる。
太陽の光がまぶしいと思って手を顔の前に持ってきても、意味がないのが少し不便だ。
最近は体がだるく、起こすこともほぼない。
あれからあいつらは来ていないが、多分来ても返事すらしないだろう。
消える前のエネルギーもあとわずか、ってところだ。
『まぁ、消えるか動物霊になるのかはわからないが…わかってんのは
断固として我々国の幹部にはなりえないってことだな。俺はもう消えるんだ。』
二日前から、なんか視界の端に黒い靄が映るようになった。
死神ともいえような背丈のそれは、ずっと俺のことを見ているらしい。
夢の中で「願いを三つ、かなえてやろう」みたいなありきたりなことを
言われた気がしたが、正直言って三つもいらないので
じゃあ消えてくれと言ったらそれは仕事だから無理だと言われた。
なんやねん。
ふと、どうせ消えるんだしと思ってそいつに話しかける。
『じゃあ、一つ目の願いだ、黒いの。
俺の過去を思い出させてくれ。もうよく覚えていないんだ。』
？「いいだろう」
どこからか声なのか頭の中に浮かんだ文字なのかわからないものを聞いた瞬間、
俺は見知らぬ街の道の真ん中にいた。
『どこだここ…』
あきらかに色あせている世界から、現実ではないことが分かったが
過去のことを覚えていないからどこだか理解できない。
自分の手はがりがりで、そして目線も小さくなっていた。
どうやら子供のようだ。
周りからは注目されず、そばに親もいない。
…そうだ、俺は孤児だったんだ。
戦争で両親を亡くしたんだ。
俺の母親と父親の顔なんかもう覚えていないが、普通にいい人たちだった。
父親は動物に対して深い愛情を持つ農家愛の人だったし、
母親は人々の平和を心から願い、日々の安寧を心底感謝しているような人だった。
俺は二人のもとに生まれて、一緒に日々を生きていたが
空が急に黒くなったかと思うと、家は壊れ火事が起きあっという間に死体だらけになった。
毎日毎日目にしていた街は、一様に戦場と変わったのだ。
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海老天2(プロフ) - 神ですね。ありがとうございます (2022年8月1日 19時) (
レス) @page4 id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
＠優斗（まさと）(プロフ) - 柚衣さん» あざます！初心者のゴミ副産物なので上手く行かない事も在りますがよろしくお願いします！ (2022年8月1日 17時) (レス) id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
＠優斗（まさと）(プロフ) - はく。さん» あ成程？そういえばそうやん俺馬鹿やん！！ｗ何度もすいません！！ｗ (2022年8月1日 17時) (レス) id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
はく。 - ＠優斗（まさと）さん» 再度失礼します。『我.々だ』のところを検索避けしてほしいという意味ですm(__)m (2022年8月1日 17時) (レス) id: a5036f3c9c (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続き、めちゃくちゃ楽しみです！更新頑張って下さい、応援してます(*≧∇≦)ﾉ (2022年8月1日 13時) (レス) @page3 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優斗_1128 x他2人 | 作成日時：2022年8月1日 10時
