第十九話 ページ22
部屋を出ていこうとしたロボロさんの服をつかむ。
二週間も寝ていたということは、あの少年は二週間独りぼっちってことだ。
『ろぼ、ろさ ん』
rbr「なんや？どうした？」
くると向きを変えて戻ってきてくれるロボロさん。
優しい。
『少年、ゲホッ』
のどが詰まる。喀血したからなのか、うまくしゃべれない。
のどに傷でもつけちゃったのかな。
rbr「…………少年は無事やで。気にすることないわ」
ロボロさんの声が少し冷たくなったような気がして、俺は手を離さなかった。
すこし握る力が強くなった俺を見て、ロボロさんは言う。
rbr「…異世界人君、アレはいかん。君の手元に置く必要はないで」
いつもあんさんと親しみのある呼び方をしてくれたロボロさんが
一気に冷たくなったような気がして、思わず手をするり、と放してしまった。
異世界人、ということは俺の知らない、こっちの世界の事情ということなのだろうか。
少年は大罪人だとか何とか言われてたけど、牢屋の中ではロボロさんも事情を知らなそうだった。
少年の顔が浮かぶ。
パンを上げた時の顔がどうにもちらついて、俺は何故そんなに言われるんだろうと
胸に違和感が残った。少年はなんなんだ？
ロボロさんに問いかけようとしたその時。
sp「やぁ異世界人君、もう勝手に動いたらダメやろー」
コツンと頭に触れて、熱はないなと言って現れた神さんはカルテらしきものに何かを書き込んでいる。
『神、さん』
sp「俺の名前はしんぺい。まぁ、好きに呼んでよ。
どう？さっきよりは頭動くかい？」
『それ、なりには』
sp「ちょっと声が荒れとるね〜…咳止めだしとこう。
声出すのにも二週間点滴だけじゃ体力結構使うしあんまりしゃべらないでね〜」
『あ、はい』
rbr「それじゃあ俺行くな、また来るわ〜」
知ってるロボロさんの声だ。
うーん……少年、大丈夫なのか？
気にしないでいいって言ってたけど………明らかに気になる発言残していきましたよあの人((
sp「さて、受け答えはしっかりできてるね。
喋らなくていいから、瞬きで答えて。はいが一回、いいえが二回。わかった？」
定期診察みたいなものか、と思い一回瞬きをする。
風が吹いてきて、部屋の中の観葉植物が揺れるのが見えた。
少年のこともそうだし、店のこともそうだけど…
転生して「僕悪いスライムじゃないよ！」みたいに言えれば良かったのにな…
(あれも結構波乱万丈だけど
少年は大丈夫なんだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Masatoサブ＠3(プロフ) - ｼﾝｼﾞﾝさん» ありがとうございます！亀更新＆また垢消えた泣ですが頑張ります！ (2023年1月6日 9時) (
レス) id: e70ef9156d (このIDを非表示/違反報告)
ｼﾝｼﾞﾝ - めっちゃ面白いです!!!!応援してます (2023年1月4日 20時) (レス) @page47 id: 46a033504b (このIDを非表示/違反報告)
優斗 - こあさん» ありがとうございます…うぉおぉぉおおやさっささっさっすぃいいぃぃい（深夜テンション (2022年12月18日 0時) (レス) id: e70ef9156d (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - ストーリー性が面白いから見てますね！ (ハート押しときます！) (2022年12月18日 0時) (レス) @page46 id: b820e4a724 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 君でしたねこれは失礼(( (2022年12月4日 17時) (レス) id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優斗_1128 | 作成日時：2022年9月24日 8時
