カイロ・レンの妹 (ページ8)

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チャンスページ8

広大な会議室で、俺は最高指導者のスノークの前に片膝をついた。

　「カイロ・レン」スノークの声に明らかな失望が込められていた。

　「お前はあの星に行って何をしに行った？」

　「部下がジャクーから来た女を捕らえました。取り調べ中に女に強力なフォースがあることが判明されました」

　答えになってないことはわかってるが、今は自分の部屋に戻ってAの様子が見たい。

　スノークはしばらく黙った後、俺の方に身を乗り出した。

　「その口調。いつものお前と何かが違うぞ」指導者は疑わしい目を俺に向ける。

　俺は激しく動揺するのを感づかれまいと、平然を装った。

　Aのことはバレてはいけない。スノークから遠ざけなければ。

　「いいえ、私はいつも通りです」自分の声に自信が感じられない。

　「何かを私から隠してるようだな？」

　俺は異を唱えようと一歩前に出た。

　「私はいつだってあなたに忠誠を誓っています」

　早くこの場から離れないと威圧感に押しつぶされそうだ。

　あの時、Aが幸せそうにハン・ソロと抱き合っているのを見て、羨ましくてたまらなかった。俺も妹と一緒に本当の家に帰りたい、と心から願ったものだ。

　だが、ダークサイドへのレールは敷いてある。

　もうやり直しができない。

　だからせめて最愛の妹を側に留まらせたかった。

　
　もしスノークがAに手を出そうなら、喜んでこの命を差し出す覚悟がある。

　妹は俺の指導を受けるのだ。

　他の誰にも邪魔させない。

　

　

　「おいレン、ゴミ漁りの女が逃げ出したと聞いたぞ？」
　
　後で来たハックスは青白い顔に軽蔑の色を浮かべていた。

　...何だと？

　これを聞いたスノークは俺に怒鳴った。

　「レン、お前は女の一人も管理できないのか？？」

　
　一体あの衛兵はどうした！

　俺はハックスの勝ち誇った顔とスノークの烈火の如く燃える視線を後にして、大股で外へ出た。

　【A視点】

　
　何だか外騒がしいな。

　先から廊下側からトルーパー達の足音が部屋の中まで届く。

　レンが戻ってくる気配がないし、私はそっとドアを開けた。

　「トルーパー全員警戒。女の囚人が逃げ出した」基地内にアナウンスが響き渡る。

　こないだ言った女性が逃げたのか。

　敵みんなその人を捕まえるのに忙しいから、私のことはきっと気にも留めないだろう。

　

　つまり、脱出のチャンスが巡って来たのだ。