カイロ・レンの妹 (ページ22)

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終わらない修行ページ22

　二人の護衛に送られながら私たちはスノークの所
に行った。

　エレベーターの中で、レンは激しい怒りを露わにした。

　「ハックスが告げ口したんだ。権力争いに勝つために」

　一言でも話せば護衛が鳩尾を殴ってくるから、私は黙ることにした。

　やがて扉が開くと、後ろから押されるようにして私は床に倒れた。

　「ようこそ、レンとA」

　武器を構えた護衛たちに囲まれ、突き刺すような視線をこちらに向けるスノークが玉座に着いた。

　相手は別段レンの裏切りに怒っているわけではなかった、ただ何かを楽しんでいるように見えた。

　

　「近くに寄れ」

　スノークは私に言った途端、拘束具が外れた。痛んだ手をさすりながら私は冷たい目で睨んだ。

　押さえつけられながらもレンは拳を握り締めた気がした。

　スノークはフォースで私の体を操り、苦しみに抗うがあっという間に目の前まで引きずられた。

　「ほう...」

　顔を見られ、目を逸らそうとしても動けない。

　何もかも見透かされる気がして怖気ついたのだ。

　「確かに美しい。そして一途な娘だ」

　「離して」
　
　自分の中に憎しみと恐怖が膨れ上がるのを感じた。
　
　
「なるほどレンも妹に負けるわけだ。こんな美人なら尚更だ」

　
　理解したようにスノークは何度も頷く。その目をようやくレンに向けた。

　「我が弟子よ。挽回のチャンスを与えよう」

　「きゃっ！」

　といきなり私を突き飛ばして、レンの前に叩きつけた。

　
　同時に解放されたレンは、重心が安定しない目で見つめてくる。

　「機会は一度しかない。何をすべきか、分かっておるな？」

　
　感情を弄ぶようにスノークはおもむろに言った。

　「最愛の妹を殺せば、それでお前の修行が終わりだ。完璧なベイダーとなるであろう」

　レンを見上げても、相変わらず感情の読めない目で見つめ返される。

　ゆっくりライトセーバーを起動させた。
　

　そんなことするはずないよね...

　いやいや、敵を信用する自分が悪い。

　ほんの一瞬だけ、兄だと思っていたのに。

　
　その刃が自分の首に振り下ろされるのを待っていると、

　レンはあっけに取られるほどの速さで武器をスノークの顔面に投げつけたのだ。

　あまりの速さにスノークも反応できず、顔面に穴が開いたまま下に倒れ込んだ。

　最高指導者の死は無様だった。