カイロ・レンの妹 (ページ19)

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希望の光をページ19

「カイロ・レンを作ったのはスノークではない」

　レンの揺るぎない口調に私は首を傾げた。

　「マスター・ルークだ」

　驚きのあまり、私はレンの涼しい瞳を二度見してしまった。

　「...どういうこと？」

　「あの夜、寝ているとマスター・ルークが寝室に入ってきて俺のそばに立ったんだ」

　「その時俺はすでにスノークの教えを受け、いくらかの闇を感づかれたのだろう」

　それは私も多少感じていた。

　だけど、ベンはいつもと変わらなかったから問題ないだろうと思った矢先に、

　“兄”は完全に闇と化して、その手を私に差し伸べようとしたのだった。

　「あいつは、」

　ここで初めてレンが語気を荒げた。

　「あいつは俺を殺そうとしたんだ！」

　私は途端に刺されたようなショックを覚えた。

　そんなことありえない...

　ルークおじさんはいつも私たちに優しかった。
そんな人が...

　「俺は感じたんだ。あいつは躊躇いのかけらもなかった」

　
　レンの声はだんだん怒りを露わにしていった。

　「だから俺は、あいつに対して恨みを晴らして寺院を焼いたんだ」

　

　「こんなこと初めて聞いた...」

　兄はスノークに変えられたと母から言われたけど、それまでの経過が分からずじまいだった。

　まだ挽回できたのに。

　その時のベンはきっと迷っているはず。弟子を信用すれば回避できたのに。

　こうも、簡単に突き放されたの？

　怒りで荒い呼吸をしているレンの肩に、恐る恐る頭をもたれかかる。

　「...わかったわ」

　レンは驚異に見張った目を私に向けた。

　「あんたが自分で闇に落ちたんじゃないことを」

　

　それから長いこと見つめあって、互いの感情が水のように流れ通う感じが不慣れだった。

　先にレンが腕を伸ばして私を抱き寄せた。

　「ありがとう...」

　レンの胸にある悲しい動悸を聞いた。

　悩ましく哀れな響きに私はしばらく聞き入れた。

　ずっと勘違いしてたわ。

　もっとレンのことを理解していたら、スノークの手から兄を救えたのに。

　
　
　
　私はまだ希望の光を失っていない。

　ベン・ソロはきっと戻ってくる。

　それを手伝うのは私だ。

　
-----作者から

　皆さまあけましておめでとうございます！

　2020年も良いお年で！(^O^)