カイロ・レンの妹 (ページ15)

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勇気ページ15

マスター・ルークの居場所が分かってからおよそ10日経つ。訓練を受けるべくレイが派遣され、居場所はビーコンでお互いわかるようになっている。

　
　「俺は組織を助けたってのに...チクショ」

　ぶつぶつ不満を言っているポーを見守りながら、私はぐったりと椅子に身を預けた。

　
　ポーの献身な動きでレジスタンスの残り僅かな艦隊がファーストオーダーからハイパースペースに入ることに成功した。

　一安心できると思いきや、

　「将軍！レーダーで敵艦を感知しました！」

　管制官の切羽詰まった声が周りのざわつきをもたらした。

　「そんな...！」

　母は絶望した表情を浮かべた。

　耳を疑うべきことだ。ハイパースペースを超えてまだ追ってくるはずがない。

　直後、幾つもの巨大な戦艦が現れ。おまけにスノークの三日月に似たような戦艦も上に君臨したのではないか。

　
　チラッと燃料の残りに目をやると、

　後一回ジャンプできそうだが、それが尽きたら私たちは全滅だ。

　それから起こるであろう恐ろしいことはなるべく考えないようにした。

　ここで、

　第一に頭の中で反応したのが、

　レンの存在。

　
　顔に傷を残したまま、今戦闘機に乗り込もうとしている。

　再び私の心から憎しみの炎が燃え上がった。

　「将軍！出撃許可を！」

　ポーは艦隊の姿を見るなりすぐ母に言った。その目は輝いている。

　
　また飛べるんだ。敵をやっつけるんだ。

　「私も！」

　私もこの機会を逃すまいと勢い良く手を挙げた。

　ポーは感心した目で私を見た。

　「隊長、あなたは出撃していいわ」母は苦笑した。

　

　「私もいきたい」

　「あなたはダメよ」

　「なんで？」

　カッとなって、母はまるで先のポーを見る同じ目で私を見据えた。

　「将軍！Aはもう子供じゃありません！」

　

　私を応援するように、友は私の肩を軽く叩いた。

　
　
　「そうだよ！私だってたまには戦場で敵を倒したいんだ！」

　
　いつの間にか、自分でも驚く強気な少女になった。きっとポーの影響だろうな。

　

　母は私をしばらく見つめた後、やがて観念したようにゆっくりうなずいた。

　「Aに許可します。危なくならない程度にやってきなさい」

　
　「やった！」

　危険を適度に冒すのは良いってことだ。いくら敵が強いとも、レジスタンスがピンチなら立ち上がるべきだ。

　勇気を奮い立たせ、私はブリッジへ出た。