カイロ・レンの妹 (ページ12)

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暴走ページ12

強い怒りに囚われ、私はレンに向かってセーバーを振るった。

　対してレンも十字の赤いセーバーを起動しないと、私の攻撃を防げないほどだ。

　施設から急速に暗くなっていく森へと私たちは交戦し続けた。2本のライトセーバーがぶつかり合い、光が雪を照らした。

　レンは私の攻撃を何度も防ぎ、自分の刃で受け流したが今回も攻撃してこなかった。

　戦いが長引くにつれて、私の怒りが増した。

　

　「打ち返しなさいよ！」

　またもや攻撃を刃で受け止められ、私は甲高く引きつった声でレンに怒鳴った。

　「...無理だ」

　レンは独り言とも思える口調でささやいた。

　ライトセーバーの先がレンの肩に刺さっても、反撃するそぶりを見せなかった。

　このとき、レンの背後で森が崩れてレンは崖っぷちに立たされることになった。

　「あんたは、」
　

　レンに呼吸をする暇さえ与えないように連続で技を繰り出すと、レンの武器が飛んでいった。

　「化け物よ！！地獄に落ちろ！」

　レンはなおフォースで攻撃を避けようとしたが、金色の光刃が振り下ろされた。

　「うっ」

　

　見れば、レンの胸から顔まで焼けた傷がくっきり残っている。

　
　

　留めの一撃を与えるべく、私はレンの倒れた体に馬乗りになった。

　『復讐の時が来た』

　頭の中で抑揚のない声が響いた。

　

　レンは覚悟したように、目を固く閉じた。

　

　だけど、私は武器のスイッチを切り、レンの体から離れた。

　
　「...何故だ？」

　レンは拍子抜けた目で私を見た。

　「人殺しになりたくない」

　自分の冷気を含む声が聞こえてくる。

　「それに、もう2度と母さんを傷つけたくはない」

　私はレンに背を向け、振り返らずにこの場を去った。

　

　それから、私とチューイたちはファルコンに乗り、爆発して粉々になった惑星から脱出した。

　「みんな無事か？」

　ポーの声が通信機から聞こえる。

　「ええ」

　私が答えると、すぐさまポーの嬉しそうな声が返ってきた。

　「A！無事でよかった！」

　BBー8の賑やかな電子音も伝わり、私は小さく微笑んだ。

　「オーガナ将軍がめっちゃ心配してたぞ」

　「そう...だね」

　
　基地についてからはまず母に会いに行こう。

　

　私はそう思いながら、光速へのジャンプに備えてシートベルトを締めた。