言い訳ばかり探してる毎日【俺スカ】 (ページ10)

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-東条正義side-

Aが帰ったあと,授業が止まった.
須長は1分に1回はスマホの画面を確認してるし,ずっと1人で小言を言ってる.

今泉「そういえば,須長先生. Aの事だーいすきらしいからね… 」

牛久保「確か大会の時とか絶対差し入れしたりしてるらしいじゃん」

「ふぅーん… 」

好きになる相手まだ高校生だけど大丈夫かよって思いながらどうせフられるオチだろうから他人事の様に興味をすぐ無くした.
問題は,川崎だ.

「川崎,大丈夫かよ」

川崎「 …A,泣いてたの」

「は? まじで? 」

川崎「私の前でA,初めて泣いた」

それからすぐチャイムが鳴って他の授業も淡々といつも通り過ごしていく.
川崎はノートもとらずずっとスマホを握ってAからの連絡を待っていた.

「なんなんだよ,アイツの普通とか常識って. どう考えてもおかしいだろアイツ」

牛久保「なんか俺も見ててムカついた. 金って」

明智「まぁいいでしょう. 普通じゃないからあんな風に校長に利用されてココに来たわけだし」

駒井「あっ,それどういうこと? 」

明智は今朝の校長の話を簡単にしてくれた.
僅かに視界に入った川崎は笑顔で話してるけど未だにスマホを握ってる.
まだAからの連絡を待っているんだ.

明智「で,俺らは校長の実験台にされてるわけ」

「はぁ? なにそれ,超ムカつくんだけど」

川崎「うちらの親が学費払ってんのにそんな為に利用されてるの? 」

明智「アイツの給料ってことだね」

川崎「なにそれ」

今泉「有り得なくね? 」

川崎「有り得ないよ」

空元気って感じの川崎はそれだけ話して抜けるとまたスマホの画面を見つめた.
自分から連絡すればって思っても川崎はそれをやろうとしない.
アイツは1番Aを知っているから.
多分家庭環境とかも川崎しか知らない.
ふと,HRに原田が話していた事が脳裏を過ぎった.

「いや,まさかな.っ,明智はムカついてないの? 」