言い訳ばかり探してる毎日【俺スカ】 (ページ3)

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あの後すぐ学校へ向かい誰もいない教室に荷物を置いて道場へと向かった.
朝練が無いとは言えど静かな場所を好む自分はこの校舎から少し離れた場所にある道場が1番落ち着くのだ.
制服のまま壁に掛けてある日の丸を正面に1度礼をして正座をし目を閉じた.

僕はこの時間がとても好きだ.

川崎「やっぱりココにいた! A! おっはー! 」

『 …おはよう,結衣』

川崎「 …あー…本当に目の保養だわ… 」

『ははっ,またそれ? 』

いつの間にか時間が経っていて少し遠くの校舎からは生徒達の声が聞こえてくる.
朝練も無いのに道場にいる時はこうしてクラスメイトの結衣がいつも迎えに来てくれたりする.
これもまた,一種の日課だ.

川崎「そうだ! うちのクラスだけ担任が代わる話,聞いた? 」

『いや…誰にも会ってないから今初めて聞いたよ』

川崎「新しい人,なんだって」

『へぇ…ヤバい人じゃないといいな』

川崎「ソレ,東条も似たようなコト言ってたよ〜! ヤバいおじさんが来たらどうする?って! 」

多分僕が言ったヤバい人と東条が言ったヤバいおじさんは違う気がするなぁ….
体罰,とかそういう問題にならない人がいい.

川崎「 … 」

『 …どうした? そんなに僕の顔見て』

川崎「なんでもないっ. 今年もよろしくね,A 」

『そんなの,こちらこそって感じ』

寧ろこうしてお互い下の名前で呼びあってるのは結衣しかいない.
友達は割と多い方だと思う,けれど…やっぱ,信用出来るのは結衣だけだ.

女子生徒「あ! 見て見て! A〝君〟とチア部の川崎さんだよ! 」

女子生徒「いつ見てもキラキラしてるよねぇ〜! 川崎さんはスタイル良し顔良しだしA〝君〟もだけどそこに更に勉強もできるもんね! 」

女子生徒「本当に女なのが勿体ない! てかさ,知ってる!? 」

ふと,窓から此方を見てる女子生徒の会話がヤケに聞こえた.
結衣は僕に話しかけてるから聞こえていないのか,それとも聞こえないフリをしているのか.

女子生徒「あの2人,つき合ってるらしいよ! 」

──あぁ,そんな事だろうと思った.