【ツキウタ。】no title【ツキプロ】 (ページ28)

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揺れる想いは何を意味してページ28

初めて彼を見た時に少し心が跳ねた。
なんでかは今も分からないんだけど。

「俺、如月恋って言うんだ! 」

やけに桜の花と彼の笑顔が似合っていた事は覚えている。

『 …早咲きしてる… 』

恋とは入学当初から仲良くしてもらっていて何をするのもいつも一緒だった。
別に隣に異性がいるのは中学の時と変わらない。
中学の時は双子の兄が隣にいたから。
変わったことといえば…異性からの呼び出しが無かったことだろう。

「 A〜ｯ! なにみてるの? 」

『あそこ。桜が咲いてる。駆…見える? 』

「馬鹿にしてる? 」

中学ではよく呼び出しをされていたもの、高校で呼び出しが突然無くなったのには少し違和感があった。

『 ───ねぇ、駆。恋って高校の時、あたしの周りに何かした? 』

「 ………、なんでそう思うの? 」

『少し、異様だった気がするから』

ぽつりぽつりとガードレールに少し体重をかけて思っていたことを話す。
異性からの呼び出し、周りに駆と恋しかいなかったこと、それからそれから────。

「 …んー…恋との約束だから言えないけど…でも、恋はねいつだってAを守ろうとしてくれてたよ」

『あたしを? 』

「そ、Aを。だから恋がやってた事は悪い事じゃないよ」

『そっか… 』

少し引っかかる事もあるけれど駆が言うなら間違いではないだろう。
だって駆も恋もいつも傍にいてくれたんだから。
この2人があたしを裏切る事はないんだから。

『ありがとう、駆』

「 …お礼は恋にも言ってね」

『もちろん』

────

『なんで、あんな少し前の夢… 』

少し前と言っても去年か。

『へんなの』

「 Aねーちゃん! 朝だよ! おはよ! 」

『うん、おはよ、望ちゃん』

朝からハイテンションな望ちゃんの頭を撫でると嬉しそうに目を閉じる。

恋、元気かな…最近会ってないや。

────

1ついいます。
ここの年少達は真っ黒です。