【ツキウタ。】no title【ツキプロ】 (ページ19)

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恋のメロディーページ19

「ラララ … 」

『そーら! 何やってんの? 』

「うわぁぁあ!? A!? 」

『にゃはは。…あれ? 作曲中だった!? 』

「へ…? うわぁぁぁああああ! 」

SOARAの共有ルームで白紙の用紙に何かを書いている空をAは見つけた。
真剣な顔だったから声をかけるのは迷っていたがAは少し寂しかったしという理由で声をかけると人をおばけを見たみたいに驚く。

『なんなの～いつも作曲途中でも見してくれるじゃん』

「これはだめ! ぜーったいだめ! 」

『けち』

「うっ… 」

空は彼女のこの一言に弱い。

『むふふ… 』

それを勿論Aは知っている。
知っているからこそ尚やっている。

「ぜーったい、見せないから! 」

『なんで! 』

このあとも『見せて! 』「やだ! 」という口論は宗司が来るまで続いた。
宗司に注意されやっと静かになる2人。

「別に作曲途中でも見せてやればいいだろ」

「だめなんだって! これだけは! 」

あの空が人に見せないのが気になってきた宗司はAと空を交互に見る。
膨れっ面のジト目で空を見るAと紙を胸元で抱きしめ顔を真っ赤にしてる空を見て宗司は気づいた。

「 …あぁ、そういうことか」

『なに? 』

「ｯ、そ、宗司! 言っちゃだめ! 」

「はいはい、言わねーよ。A、諦めろ。アレは誰にも見せねーわ」

優しく2度Aの頭を叩き椅子に座る。
未だに理解ができないAだが宗司に言われたら諦めるしかないのだ。

「～ｯ、A! コレ、いつか、完成したら聞かせるから! 」

『ほんと!? 約束だよ! あたし、空の曲大好きだから絶対聞かせてよ! 』

こうして絡められた2人の小指。
それを優しい目で見守る宗司。

「空のアレね、二年前からずっと完成してないんだ」

いつの間にか入ってきた守人がそう微笑みながら二人を見守ってた宗司に伝える。

「だろうな」

そんなの、あの空を見たら分かるさ。

呟いた言葉は守人には届かず消えた。