明日も３７ ページ38
気付いたら声を出していて、劇を続けようと必死だった。
お茶子を心配する気持ちは演技なんかじゃ無くて、咄嗟にウラビティ！と言えたのはやはり劇中という意識が頭の中にあったからだろう。
劇が止まってしまった時、とにかく私が何か言わなくちゃ、ってそれだけしか無くて、お茶子に褒めてもらった泣く演技をすれば、観客はまた劇を食い入るように見つめていた。
演出に利用してしまえ、と思った氷のキラキラは思った以上にいい仕事をしてくれたみたいだった。
よし、上手くいった！
「す、ずげぇ！今の演出かなぁ！？」
「超かっこよかったよね！流石雄英！」
「やっぱ格が違うなぁ〜」
わぁぁぁあっと会場が湧いて、ヒーロー達もその演出に感心しているようだった。
『もちろんです姫！』
『我々に任せて下さい！』
懇願する私に膝を付くようにして手を差し出すのは勇者と騎士。
アドリブに出久や飯田君も参加して、更に完成度は高まっていく。
『姫…』
白馬が近付いてきて轟君が声を絞り出す。
そう、彼は今、囚われた私を助けに来てくれた王子様。
私はここで言うべきセリフはわかっていた。
何度も何度も練習して、勝己や出久にやめてと言われまくったこの言葉。
『っ…！助けてっ…！王子様…！』
一筋涙を流しながら手を伸ばすと白馬から降りた轟君が跪き、御意の意を込め私の手の甲にキスを落とす。
手を繋ぐだけだった筈なんだけど、まぁさっきのハプニングをカバーする為だと思えば全然問題ない。
むしろ観客席からはきゃぁぁあっと黄色い歓声が上がっているのだから、こっちの方が良かっただろう。
『もちろんです、姫。』
轟君がその端正な顔で微笑む。
命からがら逃げてきた姫が、偶然にも見習い魔法使いをヴィランの仕掛けから救い、仲間となった勇者や王子様と共に王都に進撃する。
劇は繋がった。
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シトロン - 初めまして！いつも楽しく読ませてもらっています！読むたびに胸きゅんする作品でとても素敵です！これからも頑張ってください！応援しています！ (2018年12月15日 14時) (
レス) id: 22bac4a663 (このIDを非表示/違反報告)
akamaru(プロフ) - ひなさん» 本当ですか！？さっき直したと思ったんですが、まだ７に行くようになっちゃってますか？！ (2018年2月10日 15時) (レス) id: 8e554ad2d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ごめんなさい間違えました！ (2018年2月10日 14時) (レス) id: e3fe067d7a (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - この小説の続きへを押すと7にいってしまうようになってますよー (2018年2月10日 14時) (レス) id: e3fe067d7a (このIDを非表示/違反報告)
akamaru(プロフ) - 妃薫。さん» コメントありがとうございます！かっちゃんの幼児化1度やったのですが、短かったのでじっくりやるのもいいですね！´`*続編に進みましたので、そちらでもよろしくお願い致します！ (2018年2月10日 13時) (レス) id: 8e554ad2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：akamaru
| 作成日時：2017年12月7日 16時
