【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ10)

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「…私、ちょっと他の本を見てくるね。気持ち悪くなっちゃった…あ、ギルデロイ・ロックハートがじゃないよ？ただすごい人混みで…」

ジニーが彼のファンだったらどうしようと、慌てて弁解を始めると、彼女は少し笑って頷いた。

「大丈夫、分かってるわ。」

私は少し離れた所にある棚の本を眺めていた。
ホグワーツの図書室にはない本もあるようだ。
…もしかしたらレーヴ家に関する本も…一瞬期待を抱いた私だったが、フラメルの言葉で我に帰る。

「…書店にあったら苦労しないか。」

独り言のつもりで吐いた言葉には返事があった。

「何か探してるのか？」

「あ、ドラコ。久しぶりだね。」

彼の背後には彼とよく似た男性が立っている。
すぐにピンときた。ドラコのお父さんだろう。

「ええと、僕の父上だ。」

「どうも初めまして。私はA・レーヴです。」

ドラコのお父さんは、私の名前を見て目を見開いた…ように思えた。

「君がA・レーヴ……？」

「…えっと」

「ああ、失礼。私はルシウス・マルフォイだ。ドラコがその髪飾りを送った相手が誰なのだろうと…ずっと気になっていたのだよ。」

ドラコと似た笑みを浮かべて、手を差し出してくる。私が彼の手を取って握手をしていると、ドラコは顔を真っ赤にしていた。

「父上…別にその髪飾りに深い意味は……」

「何、是非これからも息子と仲良くやってくれ。」

「はい、もちろんです。」

ドラコの顔を見ると、彼はプイと顔を逸らした。
何を照れているんだろう。

「ところで、君は1人でここに？それともご両親や親戚が一緒に来ているのかね？」

「いえ、私の家族はみんな亡くなっているので…」

もう言い慣れてしまった返事をする。
ルシウスさんは、大袈裟に驚いた表情をした。

「ああ！それは失礼なことを聞いてしまったようですな。許して頂きたい。しかし、休暇中はどうしているのだね？よければお詫びに我々の…」

「あ…ハリー・ポッターじゃないか。」

ドラコが後ろの騒ぎに気がつき、声を漏らす。
振り返ると、まだロックハートはハリーを連れているようだった。

「ふん、さすが有名人だな。書店に寄っただけで大騒ぎか。まさか君、ロックハートに会いにきたんじゃないだろうな？」

ドラコはうんざりした顔で吐く。

「え？教科書を買いに来ただけだよ。ドラコもそうでしょ？」

教科書を買いたいだけなのにサイン会に巻き込まれるなんて。

「ああ、そうだ…。なんであいつらがあんなに人気なのか分からないね。」

まあ、ギルデロイ・ロックハートについてはノーコメントで。ドラコがハリーの元に向かっていき、私達も彼を追いかけた。