【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ8)

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「ぎゃっ！！…えっ？え、？」

しかしなんの音もしない。
近くにいたロンは急に悲鳴を上げる私を不思議そうに見ていた。でも確かに何かが爆発したような爆風が……

困惑しているとフレッドがニヤッと悪戯っぽい笑みを浮かべているのに気がつく。

「…あなたの仕業？」

「ああ、音なし姿なし爆発花火だ。こんなもの何に使うのかと思ったけど…なるほど、意外と面白いな！」

「だから何度も言ってるけど、人を実験台にするのはやめてよ……」

「おーい、フレッド来てくれよ。」

文句を言ってやろうと口を開くと、フレッドは奥の棚から顔を出したジョーダンに呼ばれて行ってしまった。

「大丈夫？」

ロンに声をかけられる。

「僕も前までよく悪戯の実験台にされたよ。最近は君で試すのがお気に入りみたいだけど。」

「全然嬉しくない…」

私が文句を漏らすと、ロンが困ったように笑いをこぼした。

…

最後に向かったのはフローリシュ・アンド・ブロッツ書店だった。なぜか書店はずっと混んでいて、みんな押し合いながら店内に入ろうとしている。

「みんな勉強熱心なんだね。」

そんなことを言って呑気に人集りを眺めていると、ハリーが店の窓にかかった横断幕を指差した。

「あれじゃないかな、こんなに混んでる理由は。」

「サイン会？」

ギルデロイ・ロックハート…その名前には見覚えがある……確か…

「本物の彼に会えるわ！」

ハーマイオニーが声を上げた。

「確か今回のリストにある教科書、ほとんどこの人のだよね。」

「そうよ！」

テンションが上がるハーマイオニー。

「…ギルデロイ・ロックハートって何者なの？」

私はまじまじとリストを眺めた。
ハーマイオニーの反応もそうだが、書店のこの盛り上がり…よっぽど素晴らしい人物なのだろうか。

「今魔女に人気のある魔法使いなんだよ…」

「確かに顔はハンサムさ…」

ロンとハリーの嫌々した反応でなんとなく察する。
きっと魔法界のアイドル的存在なのだろう…
書店の前に飾られた本の中で、ギルデロイ・ロックハートと思われる人物がバッチリとウインクし、近くにいた魔女が何人か黄色い悲鳴をあげた。