【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ6)

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たどり着いたのは漏れ鍋の暖炉。
ダイアゴン横丁に無事に辿り着いた私は、ほっと胸を撫で下ろす。煤を払って身なりを整え、「この辺りで一晩越せる場所はないか」と聞いたところ、ここ漏れ鍋で、宿泊用に部屋を貸していることを知った。

疲れていたのもあり、私は漏れ鍋に部屋を借りるともう眠ることにした。一度マグルの世界の方に出て、公衆電話から母に電話だけしておく。

「ハーマイオニーだっけ、彼女と仲良くね。」

「うん。」

母の声にズキリと胸が痛む。

あの日、一年前、私はここに一人で来た。
そしてハリーと出会ったのだ。この先私の人生が、フラメル並みに長いものになったとしても、きっとこの一年間のことは絶対に忘れないだろう。

初めて魔法に触れた時の感覚は、いつになっても忘れない。

…

次の日、賑やかな人通り…私は鞄にしまっていた新しい教科書のリストを広げながら、知った顔がないか周りをキョロキョロ見まわした。

「これだけ人がいれば…ホグワーツのみんなもいるだろうな…」

ふと、オリバンダーの店の前で立ち止まる。
杖を買ったお店…あの時の情景が今でも鮮明に思い出せる。初めて杖を手にしたあの瞬間を…

待って。

「もしかして…オリバンダーさん…私のことを最初から知ってた？」

“レーヴ家のお嬢さんかな？”
“あなたの杖はこれしかないでしょう“

「……」

フラメルはレーヴの者が至る所に何かを残していると言っていたっけ。私が思わず店のドアノブを握った時だった。

「A？」

「え…？」

振り向くと、ハリーにロン、そしてハーマイオニーだった。

「わ、三人も来てたんだ！」

「久しぶりA、あなたも来てたのね？」

「そういえば水曜日に行くって手紙で言ってたっけ…私もたまたま寄ったんだ。」

ハーマイオニーと再会のハグをする。

「ハリーもしかして煙突飛行でここに来た？」

「え…うん、なんで分かったの？」

ハリーを見ると、おでこが煤で汚れている。
私は彼の額を指で拭ってやりながら答えた。

「だってほら、煤だらけだよ。」

「あっ、ごめん……」

私たちは一緒に店を回ることになった。

「あ、見て、色が変わるインク…初めて会った時ハリーが私にプレゼントしてくれたよね。」

インクと羊皮紙を買い足しに入った店で懐かしいものを見つけた。といってもハリーから貰ったあのインク瓶はずっと部屋に飾ってある。

「ああ、覚えていてくれたんだね。僕てっきりそんなこと忘れたと思ってた…」

「忘れるわけないよ。むしろ目につくところに飾ってるから毎日思い出してるよ。ほら、インクだから使ったらなくなっちゃうでしょ？」