【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ50)

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黙り込んで食事をする皆。
私は気にせずドラコに声をかけた。

「そういえばドラコ、話があるって言ってたよね？」

「…いや、二人で話したいんだ。後でいい。」

「うわ、聞いたハリー？あんなことを言って二人きりになろうとしてるんだ。せこいヤツ。」

ロンが小声でハリーに言う。
だがその声は皆に聞こえていた。

「うるさいぞウィーズリー！！」

「こら、食事中だよ。」

「…で、でも……！」

ハリーとロンがクスクス笑い、ドラコがカッと赤くなる。私は思わず笑ってしまった。

「ごめんドラコ、笑うつもりはないんだけど……」

笑いが収まらない私をドラコは複雑そうに眺めながら、ぼそりと呟いた。

「なぜ最近…僕を避けてる？」

「えっと、」

私は言葉を詰まらせた。ロンが何か言おうとしたが、ハリーに肘でつつかれて黙る。

「君は…純血主義なんでしょう？」

私は食べ物を飲み込んで答えた。

「だったら私と一緒にいない方がいいと思って。あなたがハーマイオニーたちを差別するのは…正直見てられない。すごく不愉快だよ。」

「わあ…意外とハッキリ言うんだね。」

ドラコの表情が固まり、ロンが呟く。
私自身びっくりしていた。あんなに悩んで辛くて、どうすればいいのか分からなかったのに…案外、口にすることができてしまった。しかも一度口を開いてしまえば……止まらない。

「ドラコのそういう態度が嫌なの。」

傷ついた顔をするドラコと、笑いを抑えているロン達。
ドラコが二人をギッと睨んだ。

「…でもね、1番嫌なのは…さ」

思わず涙声になる。ロンとハリーが笑うのをやめてパッと顔を上げた。

「ドラコが純血主義っていう、たった一つのことで……君を大嫌いになってしまいそうなことだよ。」

思わず感極まって、目の縁が涙でいっぱいになるのを感じた。

“穢れた血”
それはドラコの声で脳内に響いた。

「でもドラコのいいところ、いっぱい知ってる… 私はドラコのことも大好きだし、友達が対立しているのを見るのは辛い。」

視界がぼやけてよく見えないが、誰かが息を飲み込む音が聞こえる。

「お願いだから、ドラコも、ロンも、ハリーも……マグルとか純血とか関係なしに仲良くできないかな…」

さっき絡んできたスリザリンの人達だけじゃなくて。
そうすればきっと、セドリックも言っていたように何か変わるはず。

「ただみんなで仲良く過ごしたいだけ、」

たったそれだけのこと。
それは私が思う以上に難しいことなのだろう……分かっていても願わずにはいられない。

「分かった。」