【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ49)

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「うわ…」

なんてタイミングの悪さ。
やって来たのはクラッブとゴイルを連れたマルフォイだった。どこまで聞いていたのかわからないが、怪しむような目つきで首を傾げていた。

「ああ…違うんだドラコ。二人が勝手に勘違いをしちゃって…」

「マルフォイ！お前…Aになにするつもりだ！」

ロンが早速ドラコに突っかかる。

「なんだよ急に！」

「やめて！先生呼ぶよ？」

私は慌ててドラコ達に向かっていくロンを引き離した。

「もう一度最初から説明するからよく聞いて、ロン。私に攻撃して来たのは名前も知らないスリザリンの上級生達で…ドラコが仕向けたわけでもなんでもない…」

「待て、スリザリンの奴に攻撃されたって？」

次に私の話を遮って来たのはドラコだった。

「……」

「どこの誰がそんなことを？何をされたんだよ？」

「君がよく分かってるんじゃないかマルフォイ？」

今にも殴り合いでも始めそうなドラコとハリー達。なんでこうにも話が通じない？私は今にも怒鳴り声が喉から飛び出しかかっていた。

「あの、二人とも落ち着いて……」

「大体マルフォイ、君はもうAに近づくな。」

「君に僕らがどうしようと関係ないはずだぞ、ポッター。」

…

「…もう！人の話ちゃんと聞いてくれる！？」

大きな声を出すと、びっくりした顔で皆が振り向く。

「わあ……Aが怒った…」

ロンがぼそりと呟いた。

……

私はもう一度、何が起きたのかを話した。

「あと、みんなはこのことに首を突っ込まないでいいから。ハリー、心配は嬉しいけど犯人探しはしないでいい。ドラコも同じ寮だからって責任は感じないで、あなたは関係ない。」

二人はしゅんとしてしまったが、やっと大人しくなる。
皆して私を心配してくれたのは間違いない…そう、みんな。

居心地悪そうに目を逸らすドラコ。

「…わかったらほら、席に座って。みんなでご飯食べようよ。」

「ああ、そうだね。僕お腹ぺこぺこだよ。」

ぐうっとお腹を鳴らしたロンは、席に座ってチキンに手を伸ばした。ハリーもそれに続く。

私は立ち去ろうとしてドラコのローブを慌てて掴む。

「まさか…僕らもここで食えって？」

ドラコが眉を顰めて言った。私が返事をするよりも先に、クラッブとゴイルは席につき始めている。

「ちょうど席も空いてるし、いいんじゃない？」

騒いでいたせいか、私たちの周りから人が遠ざかって座っていた。十分みんなで座って食べるスペースがある。
ドラコはハリー達を見て、ため息を溢してから席に腰を下ろした。