【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ42)

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セドリックが持って来た写真の私は、どれも綺麗に写っていた。白黒の私達が仲良さそうに枠の中に収まっている。

「わあ、すごいね。」

写真の中の私が手を振ってきたので、私も手を振りかえす。
私はあの事件以来、初めて明るい気持ちになった。

「この写真、僕の部屋に飾ってもいいかな…その、よく撮れてるから……」

「うん、別にいいよ。」

私も今度、ちゃんと写真を撮ってもらえるようコリンに頼んでみようかな。母にプレゼントしたらきっと驚く。

「A。」

次に私の名前を呼んだのはアーニーだった。
私は談話室の入り口のところで立っているアーニーを振り返った。

「君を呼んでる人がいる…ええと、マルフォイが君を呼んで欲しいって。」

私はびくりとして肩に力を入れた。

「ごめん…もう寝てるって言ってくれない？」

「ああ、分かったよ。僕も行かないほうがいいと思う。彼、きっと何か企んでるんだ。」

私は、この事件に犯人がいるのなら…
マグルを憎み、スリザリンの継承者と思われる人物…ドラコ・マルフォイ…のような純血思想の人物像だと思う。

もしくは……

……

「ジニー、こんにちは。」

「こんにちは、A。」

図書室で勉強していたジニーはロンの話通り確かに顔色が良くない。彼女はサッと手元の本を隠した。

「勉強してたの？」

「ええ、まあ…そんなところ。」

「何か分からないことはない？私、手伝えるよ。」

あの夢で見た内容はよく分からなかった…多分、本人もよく分かっていないんだけど。それでも私はこの事件に、無関係だとは思えなかった。それはきっと彼女も同じ。

不安、だよね。

私はジニーの意識に入り込んでしまったせいで、その正体のわからない恐怖感が、まるで自分のことのように感じる。

「大丈夫、宿題はもう終わってるの。」

ジニーは綺麗な赤毛を揺らし、わずかに目を逸らした。私は彼女の隣に腰を下ろして、彼女の顔を覗き込む。

「そう？宿題を進めてるのかと思ったけど…」

「これはその…勉強とは関係ないのよ。」

鳶色の瞳と目が合うと、ジニーは一瞬顔を引きつらせた。ああ、何かを隠した…知られたくないんだな、と私は察する。

「そうだったの？ロンと違ってしっかりしてるんだね。」

それを聞くと彼女はやっと少し笑ってくれた。

「ロンなら今日も宿題に追われてたわ。なんでも魔法史の宿題の長さが足りないって…」

魔法史……

「あっ。」