【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ39)

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息を切らしながら何階も階段を駆け上がる。やって廊下の真ん中で三人が立ち止まっているのが見えた。

「ねえ、待って…」

三人の方にかけよると、ハリーがこっちを振り向いた。

「…A、こっちに来ないほうがいい。」

「え？」

みんなの視線を辿ると、壁に何かが…

ざわざわと大きなざわめきと共にみんなが階段を駆け上がってくる足音が聞こえた。次の瞬間、パーティから帰ってきたみんなが廊下にわらわらと現れる。

私はあっという間にその一部に飲み込まれてしまった。
いったい何があったんだろう？

「ちょ…」

何が起きているのか分からないまま、人の流れに流されていると、やって来た生徒達が息を飲み一瞬静まり返る。

そして今度は前に進もうと押し合い始めた。

「うわっ…何！？」

誰かに押されて、人ごみの最前列まで転げ出る。

「いたた……」

顔を上げたその先、私は息を呑んだ。
やっと何が起きているのか理解する。

壁に文字、そして…ミセス・ノリスが…

「“継承者の敵よ、気をつけよ”！」

背後から人垣をかき分けてやって来たドラコが文字を読み上げる。彼は私のちょうど真隣に出て来た。床にしゃがみ込んでいる私には気付かず、ハリー達と猫を見てからニヤッと笑った。

「次はお前達の番だぞ…“穢れた血”め！」

彼がそう叫ぶのを直視する。

「……ド、ドラコ？」

「…っA！？」

思わず声が出た。ドラコが初めて私に気づいて、サッと顔を青くさせる。

“秘密の部屋は開かれたり”
“継承者の敵よ、気をつけよ”

私はドラコから目を逸らし壁を見た。
何が起きているのかよく分からないが…

「……」

フィルチさんがかけつけ愛猫の姿を発見。私もカッと目を見開いたままぶら下がっているミセス・ノリスから目を離せなかった。気付けばダンブルドアや先生達も揃っている。
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何か大変なことが起きてる…状況をいまいち理解できていないけど、そう察する。

「アーガス、一緒に来なさい。ミスター・ポッター、ミスター・ウィーズリー、ミス・グレンジャー、君たちもおいで。」

三人が先生に連れて行かれるのに気がついて私は慌てて立ち上がった。

「お、おいA…」

「ま、待ってください先生…」

ドラコが何か話しかけてきているのに気がついていたけど、単純に答えている余裕がなかった。私は彼を無視して三人を追いかける。

…まさか三人の仕業だと思われてるんじゃないだろうな？私は三人と一緒にいたのだ。ハリー達が何もしてないのはよく知っている。

慌てて三人と先生を追いかけるが、寮に戻ろうとする生徒達の群れに飲み込まれる。

「ああ、もう…待ってってば！」

……