【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ37)

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「ちょっと不気味だね…」

会場に向かう途中、大広間から離れるたびに、ハロウィーンの楽しいムードは薄れていった。

「なんだか…ちょっと寒くない？」

「きっとゴーストが沢山集まってるせいだ。」

「あ、そっか」

薄暗く冷たい空気。
私は今更、絶命日パーティはゴースト達のパーティなのだと気がついた。

「うわ、なんの音…？」

戸口の前にニックが立っているのが見えると、凄まじく恐ろしい…耳を塞ぎたくなるような音が響いてくる。

「あれが音楽のつもり…？」

と、ロンが小さく呟く。

「これはこれは、…この度はよくぞおいでくださいました。」

首無しニックは私たちを地下牢に招き入れた。そこは、とても楽しそうな空間とは言えなかった。黒い蝋燭や黒幕で飾られ、真っ白な半透明のゴーストが信じられないほど沢山ふわふわと浮かんでいた。

「わあ、すごい……」

私は見慣れない景色に目を奪われていた。
私達はダンスフロアの端を回り込むように歩く。ダンスフロアは既にふわふわとワルツを踊るゴーストでいっぱいだった。

「見て、皆。あそこにある食べ物は全部腐ってるみたい。」

腐った魚やカビたチーズに焦げ切ったケーキ。羊の胃袋に詰められた腐ったミンチには蛆まで沸いていて、とにかく強烈な臭いだった。

ゴーストが口を開けて食べ物の中を通り過ぎたのを見て私は納得した。

「ああ、あれで味が分かるんだ…！そうか、だから匂いが強いものばかりなのかな…」

「信じられないよ、このパーティを楽しんでる人間がいるなんて。」

興奮気味に話す私を横目にロンは溢す。

「ねえ、何か私たちでも食べれるものがあるかもしれないよ？」

「君、正気？」

「…悪いことは言わないわ。やめなさい、A。」

テーブルに近づく私をハーマイオニーが止めた。ハリーは鼻を摘みながら顔を背けている。

腐った料理を食べろとは言わないけど、せっかくだから皆も楽しめばいいのに。

私はゴースト達が華麗に踊っているのを眺めていた。