【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ36)

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「先生…」

「何をやっているのだ？」

私の声を遮って先生が言った。
ゴミでも見るような冷ややかな目。

「えと、話を…？」

先生は信じられないほど長いため息をついた。

「あの男はあまりいい噂を聞かん、近づくな。」

「あの男って…ブレーズのことですか？」

「ああ。」

噂ってどんな？
聞く前にスネイプ先生は歩き始めてしまった。

「あ、待って先生。」

先生は少しだけ立ち止まり振り返る。

「この前の授業、少し難しかったからもう一度教えて欲しい。」

私が先生に追いつくと、スネイプ先生は再び歩き始めた。

「確かに難易度の高い魔法薬ではあるが…君は問題なく出来ていたはずだが…？」

「うん、そうなんだけど…友達に教える時にあの理論が分からなくて上手く説明出来なかったの。」

「ならば我輩のメモを渡そう。本来は生徒に見せるものではないが…まあ、君なら理解できるだろう。」

「わあい、ありがとう。」

先生と一緒に魔法薬学の教室に向かう。

「おや、スネイプ先生にミス・レーヴ君！」

私とスネイプ先生は足を止め、廊下の角から顔を出した男を見て沈黙した。ギルデロイ・ロックハートだ。

「どうしたんです、お二人で？何かお困りなら私が…」

「あ、それで…スネイプ先生。次の授業で質問があるんですが…」

「何かね？」

私達はロックハート先生を素通りして進む。

「おや、どうやら気がつかなかったようですね。さすが勉強熱心なお二人だ……」

後ろで彼はそんなことを言っていたけれど、どう考えてもバッチリ目が合った。気が付かないはずないんだけどな。まさか自分が無視されるとは思ってもみないらしい。むしろここまで来るとそのポジティブさには尊敬すら覚える……

……

「本当に行くの？絶命日パーティに？」

「うん、ハリーと約束したんだ。」

「そう…残念だけど、ハロウィーンパーティは来年もあるものね。」

ついにハロウィーン。
私はハンナと大広間で別れ、ハリー達がやってくるのを待った。今日はグリフィンドールのゴースト、ほとんど首無しニックの500回目の絶命日。彼の絶命日パーティが地下牢で行われる。

「あ、みんな！」

私はやってきた3人に手を振る。

「うわー、やっぱりハロウィーン楽しそうだよ。」

と、大広間を覗き込んだロンが言った。

「すごいね、こんな大きなカボチャのランタンなんて初めて見た。」

「そうか。去年のハロウィーン、君は…」

「うん、まさに絶体絶命の状態だった。今思えばなかなか面白い体験だったよ。」

クィレルによってトロールと一緒に部屋に閉じ込められていた。笑ってそれを思い出せるのは全部ハリー達みんなのおかげだ。