【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ35)

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【4-5】ページ35

……

廊下を歩いていると、見覚えのある顔が廊下のベンチに座っているのが見えた。ブレーズ・ザビニだ。

「あいつまた女を連れて…」

ザビニと一緒にいる女。
それがAだと気がつくのは一瞬で、僕は声を失った。

「マルフォイ……？」
　
突然立ち止まった僕を、クラッブとゴイルが不思議そうに振り返る。僕は2人を押し避けて2人を見た。確かにザビニとAだ。

「なんであいつが？スリザリンは嫌になったんじゃ……」

ちょうど彼女はこちらに背中を向けているので表情は見えない。…じっと見ていると、ザビニが突然、Aを抱きしめた。

「な…！」

思わず駆け寄ろうとして、パンジーの言ったことを思い出す。

“ドラコ、あなたと関わりたくないって。”

スリザリンが嫌なんじゃない、僕が嫌なんだ。

ふと、ザビニと目が合った。
その瞬間、奴はニヤリと悪い笑みを浮かべてる。

「あいつ、最初からこっちに気付いてて…」

分かってる、あいつは僕がAを気にしてることに気付いていて、わざと挑発してきてることくらい。でも怒りか嫉妬のようなものでカッと頭がいっぱいになった。Aが自分でその手を振り払ってくれればいいものの…彼女はおとなしくそれを受け入れている。

「チッ、あの馬鹿、」

僕はその場に背を向け立ち去った。
悔しさで胸がいっぱいになる…

……

「あの、ブレーズ？」

ずっと私を離さないブレーズ。
顔が見えなくて、彼が何を考えているのか分からない。
無言でこのままはちょっと怖い…

「僕だったらそんな思いはさせないけどな…」

「え…なんの話……？ちょっとごめん、一回離してよ。」

「……」

返事がない。

「ねえブレーズ？」

「僕は君のこと大事にするよ…どう？僕を選んでみないか。」

「スリザリン、10点減点。」

上から降ってきた声に、ブレーズが慌てて飛び上がった。

「スネイプ…！？な、なんで……」

私はほっと胸を撫で下ろした。

「ミスター・ザビニ。制服を着崩し過ぎだ、直ちに直して寮に戻りなさい。」

「そんな、ただシャツが出てるだけだ…それだけで10点も引くんですか？」

「左様、つべこべと文句を言うでない。我輩の言うことが分からないのかね…？」

「…っ、A…じゃあまた今度。」

「え？ああ、うん。」

不満そうにその場を去っていくブレーズ。
私は彼から目を逸らしスネイプ先生の方を見た。