【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ34)

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【4-4】ページ34

「君がスリザリンを避けてるって聞いたから…」

「…ああ。」

ドラコの顔が頭をよぎる。
まだ胸が痛むけど…前よりは吹っ切れたのかもしれない。

「それはただ、その…スリザリンの子は純血主義の子が多いでしょ…？」

「ああ…」

「知らなかった訳じゃないんだけど…その、ちょっと、まあ、いろいろあって…」

「もしかしてマルフォイのこと？」

私は頷いた。

「私はマグルのところで育ったし…マグル生まれの友達もいるの。だからその、…なんて言えばいいのかな……」

友達や大事な人が穢れた血だとか、血を裏切る者だとか…そう呼ばれたりするのは耐えられない。それを言ってるのも友達ならば、余計に参ってしまう。

「あ、ブレーズももし…あれ…なら勉強は他の人に頼んだ方がいいかも。」

「いや、僕は君に教わりたいんだ。」

突然そう言うものだからびっくりした。

「確かに僕も、前まではそう思ってたけど…君と出会ってから純血が全てじゃないって感じるんだよね。」

「え…本当に？」

「ああ。君と君の友達を貶さないって誓うよ。」

私は嬉しかった。
みんながそう思ってくれればいいのに……

「…ドラコもそう思ってくれたらいいんだけど。」

「それはどうだろう。あいつらの家は生粋の死喰い人だからな。」

私はびっくりしてブレーズを見上げた。
彼は慌てて口を塞ぐ。

「え…？死喰い人ってあの？」

死喰い人のことはわかる。以前本で学んだ。確か純血主義を掲げるヴォルデモートに賛同し忠誠を誓った者たち。本で紹介された極悪非道な行いの数々がたった一部でしかないと思うと、それだけで彼らが憎くて仕方がない。

「ああ、やっぱり知らなかったか。余計なことを言ったな…忘れてくれ。」

後から知って傷つくなら…私はごくりと唾を飲んだ。

「いいの、ドラコのこと、教えて……」

声を絞り出し、立ちあがろうとするブレーズの腕を掴む。

「分かったよ。」

ブレーズは腰を下ろし座り直すと、少し声を落として言った。

「マルフォイ家は例のあの人の陣営に味方してた…あの人が消えてこっち側に戻ってきたけど…有名な話さ。」

マルフォイ一家はヴォルデモートの仲間なの?
じゃあもし、ヴォルデモートが帰ってきたら……

ゾワリと寒気がした。

「……」

「大丈夫？」

「うん。」

深呼吸をして答える…

「顔が真っ青だ…もうマルフォイのことは忘れちまえよ……」

ふとブレーズが寄ってきたかと思うと、強く肩を抱き寄せられ、すっぽり彼の腕の中に収まっていた。

「ブレーズ？」