【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ33)

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グリフィンドールの談話室。
フレッドはため息を吐いた。

「いいよな、ディゴリーの奴は。」

意図せず出た言葉だったらしい。
フレッド自身、自分は何を言っているんだろう？…と首を傾けた。

「Aと同じ寮で、仲が良いからか？」

ジョージには片割れの考えていることが分かっていた。なぜなら自分も同じ気持ちだからだ。

「ああ、そうかも。Aがグリフィンドールだったらきっと楽しいぜ、相棒もそう思うだろ？」

「ああ。」

Aとセドリック・ディゴリー。今日も朝から二人が並んで寮から出てくるところを見かけた。双子がどんなに彼女と仲良くなっても、“同じ寮の優しい先輩”にはなれない。

フレッドはしばらく考え込んだ後、ジョージをくるりと振り返る。

「えーと、つまり僕達は…」

「嫉妬してるってことだ。」

「ねえ、フレッド、ジョージ。」

声をかけてきたのはジニーだ。
二人はそちらに顔をあげる。

「ペンを貸してくれない？」

「自分のはどうしたんだよ。」

ジョージが机の上に置いていた自分の羽根ペンを取る。

「ロンがちょっと借りるって言って持って行ったのよ…なのに全然帰ってこないわ。ちょっと日記を書くのに今すぐに使いたいの……」

「ほら、持ってけよ。すぐ返しにこいよ。」

「ありがとうジョージ。」

ジニーは慌てて自分の部屋に去っていく。

「あいつ、あんなに熱心に日記なんて書いてた？」

「さあ、ハリーのことでも書いてるんじゃないか？今日のハリーは昨日よりも素敵…ってね。」

二人は妹の口調を真似て笑う。

……

「ちょっと話せる？」

具合の悪そうなハンナを医務室に送った帰りだった。廊下を曲がったその先で、道を塞ぐようにブレーズが立っている。

「っ…びっくりしすぎて声が出なかった。普通に声をかけてよ…」

「だって君…まあいいや。」

ブレーズは何かを言いかけた。
そしてパッと私の手を掴むと、近くのベンチまで連れて行く。私は不思議に思いながら彼の隣に腰を下ろした。

「どうしたの？」

「ええと、…そうだな、相談があるんだ。」

随分と深刻そうな顔だ。
何事だろう？

「実は勉強を教えて貰えないかと思って。」

「え…勉強？別にいいけど…」

大したことないお願いに私は即座に頷いた。

「…本当に？」

「うん。」

むしろなんで今更そんなことを？
不思議そうにしているとブレーズが言った。