【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ32)

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「でも…あ、噂をすれば！」

コリンの目線を辿ると、友達と一緒に廊下を歩いているセドリックだった。

「あー……」

彼はすぐに私たちの視線に気がついたようだ。
興奮した様子のコリンがセドリックにカメラを向けた。

「こっちに来る！」

「やあ、A、ハリー！それから……」

セドリックはカメラを向けてシャッターを切るコリンを見る。コリンはカメラを下ろすと嬉しそうに言った。

「僕、コリン•クリービーです。今、ちょうどあなたの話をしてたんですよ、セドリック・ディゴリー！」

「僕の話…？」

「ええ、あなたはAと付き合ってるんですよね？」

セドリックの顔がサッと赤くなり、びっくりしてこちらを振り返った。

「ごめん、セドリック…あの勘違いしてるみたいで…言っても聞かないの。ああ、もうコリン、誤解なんだって！よく分からない噂を鵜呑みにしないでよ…」

私は慌ててコリンに訴えたが、彼は私にカメラを向けてパシャパシャとシャッターを切るだけだった。

「ところで写真を撮ってもかまいませんか？」

「いいけど…撮る前に聞いてね。ごめんセドリック、誤解は絶対解いておくから……」

「あ、いや…そういうことだったのか。僕は構わないよ。」

セドリックがそう言って微笑む。

「ねえ、二人の写真をとってもいいですか？ほら、そこに並んで…」

「あのね、コリン…？」

パシャっと、返事も聞かずシャッターを切る。
…ああ、誰かこいつをどうにかして！

「コリン、いい加減にしろ！Aが違うって言ってるじゃないか！人の話を聞いてくれ！」

「あーいいんだハリーにA。僕は気にしてないから…せっかくだし写真を貰ってもいいかな？」

私たちと違って穏やかなセドリックは、優しく微笑んでコリンを振り返った。

「勿論いいですよ！」

「Aも…君の写真を貰っていい？」

「…うん。」

変な顔で写っていなかっただろうか。
コリンはセドリックにお願いされ、上機嫌で戻っていく。
「すぐに現像して渡します！」と…

「…ええと大丈夫？」

セドリックがこちらを見る。

「あーうん。…すごく疲れたけど。」

どっと疲労感。
私は隣にいたハリーを振り返った。

「ハリーはずっとあの子に追いかけ回されてるって聞いたけど…大変だね。」

その場で立ち尽くしているハリーは、声をかけるとやっと我に帰ったようだった。

「ああ、うん。正直…うん、迷惑してるかも。」

忌々しそうにハリーが呟く。
私はハリーに同情した…