【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ30)

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「外の…湖？」

ジョージの言ったとおり、抜け道はホグワーツ城の外に繋がっていて…目の前は湖だ。

「ボートはどこだ？」

「あっちだフレッド。」

二人は岸辺に置きっぱなしになっているボートを見つける。

「さあ、乗って。」

「えっと、帰らせて…」

試しにそう言ってみたが、二人はスルーして先にボートに乗り、私も引っ張られて乗り込むしかなかった。

「揺らさないで…！落ちちゃうよ…」

こんな季節に湖に落ちたら凍え死んでもおかしくない。
ボートが岸を離れて湖の真ん中の方に行くと、やっと双子は私の手を離してくれた。しかし今更解放されたところで逃げようにも逃げられない。

「先生にバレたら減点だけじゃすまないよ。」

「つまらないこと考えるなよ、ほら…さっきもらったサンドイッチ。おっ…ミートパイと糖蜜ヌガーも入ってる。」

「見ろよ、フルーツもいっぱい寄越すよう頼んだんだ。A、よくほっぺに頬張ってるだろ。」

食堂のから掻っ攫ったものを広げる二人。

「まさかここで食べるの？」

「ああ、いいだろたまには。ほら、食えよ。」

「暗くてよく見えないんだけど…」

フレッドが何か渡してきたがよく見えない。
するとジョージがランプに踊りだす炎を灯した。

「わあ、何これ！」

「今度教えてやるよ。」

ジョージがニッと笑って私の前にランプを置いた。
もぞもぞと体を動かしていると、フレッドが言う。

「狭かったらもっとくっついてもいいぜ。なんならお兄ちゃんのお膝に座るかい？」

「残念ながら私は君の妹じゃない…ジニーにそんなこと言ってるの？」

「まさか、近づいてもくれないよ。」

だったら余計に他人の私が座るとこじゃないよな。
私は二人の間に収まって、おとなしくフルーツに手を伸ばした。…お腹は減ってたし、食べ物に罪はないからね。

フレッドとジョージは冗談を交えながら色々な話をしてくれた。ハリーがカメラを持った一年生のファンに追いかけ回されているとかいないとか。ロックハート先生はいろんな所でトラブルを起こしているとか。

「なあ、今の流れ星じゃないか？」

ジョージが興奮気味に私の肩を叩く。

「え…どこ？」

「ほら、あそこだよ。」

ジョージはわざわざ顔を近付けて教えてくれたけど私には見えなかった。

「全然分からないや。」

「そりゃそうだろうな、嘘だもの。」

「嘘かい！」

その瞬間、きらりと大きな流れ星が私たちの目の前を横切った。

「待ってねえ、」

「「「今の見た！？」」」

三人の声が綺麗に重なって、私たちは笑った。

…こんなことを言うのは癪だけど…二人のおかげで、夜空を眺めながら過ごしたその時間はすごく楽しかった。