【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ27)

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「実は…ちょっとドラコと顔を合わせたく無いの。」

「は…？それってどういう…まさかあなた…ドラコのことが好きだとか言い出すつもり？」

パンジーの表情が厳しくなる。

「いや…そうじゃないよ。どちらかというと逆かな…」

「え…？」

「ドラコが…純血主義者だって聞いて。私はあんまりその考えに賛成できないの…だから…少し、距離を置くべきだろうって思って…」

パンジーはポカンと口を小さく開けっぱなしにしていたが、次第に口角が上がっていき、笑顔を見せた。

「ああ、なるほどね。あなた知らなかったわけ？ドラコがあなたに構ってくれるのはただの気まぐれ、本当はあんただって…」

廊下の方から声が響く。

「おーい！」

ドラコとブレーズの声だ。

「ああ、戻らなくちゃ……あなたのことは私が上手く伝えておいてあげる。だからあなたも…ドラコには金輪際近づかないことね。」

彼女はそう吐いて嬉しそうに去っていく…私はトイレに一人残された。パタパタとパンジーの駆けていく足音が響き、それが消えるとしんと静まり返った。

……

「やっぱり嫌われたみたいだな、マルフォイ。一体何したんだよ、あんなに君に懐いていたのに…」

Aが逃げ出して、パンジーがそれを追いかけた。
僕たちも後を追うが、ザビニがそんなことを言ってくるので不安になってくる。

実際、いつの日からか、あいつは僕があげたシルバーの髪飾りをしなくなった。気まぐれだろうと思っていたけれど、もうかれこれ一ヶ月はつけているところを見ていない。

それに…

「あからさまに避けられてたもんな…嫌われたようだぜマルフォイ。」

面白がるようなザビニの声。
僕は思わず叫んだ。

「黙れ、ザビニ！」

廊下ですれ違うたび、バカみたいに大きな声で「ドラコ！」と駆け寄ってきていた彼女は、まるで僕が見えていないかのように無視をする。

大広間で姿を見付けても、全く目が合わないし…ましてや近寄ってくることもない。やっと心を決めてこちらから声をかけて見れば…この有様だ。

「チッ…僕が何したっていうんだよ。」

心当たりはなかった。ポッター達に何か吹き込まれたか？
ちょうどその時、廊下の向かいからパンジーが戻ってきた…Aは一緒じゃない。

「どうだった？彼女、調子悪いの？」

「大丈夫よ、Aはただ単純に…」

パンジーがこちらを振り返る。
彼女はなぜか笑みを浮かべていて…なんだか嫌な予感がした。

「ドラコ、あなたともう二度と関わりたくないって。」