【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ26)

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ちょうどその時だ。

「さあ皆さん、お揃いですか？今日は『トロールとののろい旅』の第一五章についてお話ししましょう。」

背後のドアからロックハートがやってきた。ハーマイオニーの微笑みはロックハートに向けられていたのか…
私はげんなりしながら教科書を取り出して、ロックハートがロマンチックに自分の活躍を話し出すのを聞き流した。

…

授業が終わり、ハリーと少し談笑したあと、自分の寮に向かう。ハーマイオニーは本当にハンナと話があったようで、何やらすごく盛り上がっていた。

「なんの話してたの？」

「ロックハート先生の話よ。」

「ああ、…そう。」

確かにその話題は一緒に盛り上がれる気がしないや…ハリーとロン相手なら話が別だけど。廊下を歩いていると、向かいから緑色のローブを纏った集団が近づいてくるのが見えた。

中にドラコの顔は…無いみたい。
私はほっとしてハンナに話しかける。

「そうだ、魔法史の宿題なんだけど…」

「おい、A。」

私はびっくりして足を止めた。
その声の主はすぐに分かったが、振り返ることができなかった。

「A？」

「A、呼ばれてるわ。」

ハンナまでそう言ったので、私は恐る恐る振り向く。

「どうしたんだよ…ちょっと話がある。」

ドラコ・マルフォイだった。

「君、先に行け。ちょっとこいつを借りる。」

「あー、分かった…A、私先に行ってるわね。」

「あ…待っ……」

ハンナは素直に行ってしまった。
ドラコの他に、クラッブとゴイルにパンジー…そしてブレーズがいた。目の前からやってくるスリザリン生に目がいって、背後からやってくる彼らに気が付かなかった。

ドキドキと心臓の音が速くなっていく。

「久しぶりに勉強会でもどうだ？今週、宿題がいっぱい出ただろ？」

ドラコはいつも通り話しかけてくる。私の頭は真っ白だった。どうしよう…なんて言えばいい？

「あ、えっと…」

「…どうしたんだよ。様子がおかしいぞ。」

「ごめん、お腹痛くて！」

「え？」

私はその場を走って逃げ、近くの女子トイレに駆け込んだ。ゆっくりと深呼吸をすると、少し気分が落ち着いたようだがまだ少し体が震えている…

「ちょっと、どういうつもり？」

静まり返った女子トイレに声が響く。

「あ…パンジー…」

彼女は私を追いかけてきたのか少し息が荒れていた。

「ドラコの誘いを断るなんて…何様のつもりよ。」

「ご、ごめん…」

「何か理由があるわけ？もしかしてあの日なの？」

「あー、いや…体調は問題ないけど、その…」

「なんなのよ。はっきり言いなさいよ、めんどくさいわ。」

パンジーの大きなため息に、私は恐る恐る白状した。