【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ18)

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私は大慌てで温室に向かっていた。
身支度に手間取って遅れて教室を出ると、廊下の真ん中でキョロキョロしている新入生を見つけてしまったのだ。セドリックが来てくれなかったらみんなで遅刻するところだった…

温室まで来ると、もうみんなが集まっている。
どうやらスプラウト先生はまだらしい。私はほっとしてハンナに合流する。

「あ、見て。ロックハート先生だわ。」

ハンナの言う方向を見ると、包帯を抱えたスプラウト先生とロックハート先生が歩いてくるのが見える。

「誰か怪我でもしたのかな？」

遠くの方に包帯が巻かれた暴れ柳が目に入り納得した。
なるほど、あれの治療をしてたのか。

ロックハート先生がハリーを呼び出していたので、ハリー達の姿は探さなくとも目に入った。ハリーに声をかけようにもロックハート先生に先を越されてしまったし、とりあえず授業に集中しよう…

「今日はマンドレイクの植え替えをやります。」

スプラウト先生は言った。
マンドレイクは強力な回復薬になる…しかしその泣き声は命取りだ。私達はグループに分かれ、耳当てをつけて作業を始める。

…

「あ、待ってハリー！」

やっとハリーに声をかけることができたのは、授業が終了した後だった。

「どうしたのA。」

「どうしたのって、こっちのセリフだよ。昨日は大丈夫だったの？退学って本当？」

ロンがもううんざりだという表情をし、ハリーもため息を漏らした。いろんな人からこの話を聞かれたに違いない。

「まあ、退学は免れたみたいね。」

代わりにハーマイオニーが答え、私は安心した。

「なんだ、よかった。」

「よくないわ、大変なことになってるんだから。」

ハーマイオニーは、二人が起こした事件について、二人が退校処分にならなかったことがどれだけ不思議なのかを話し、私はヒヤヒヤしながらその話を聞いていた。

「仕方がなかったんだよ……」

彼女が全部喋った後、ハリーは元気なくそう呟いた。

「なぜか僕たちだけゲートを通れなかったんだ。」

ロンはそう言っていたが、ハーマイオニーは「だからって車を使うだなんて！」と突っぱねる。

「まあ、二人が無事でよかったよ。…大した怪我もないみたいで。」

「全くよくないわよ…」

二人を励ますと、ハーマイオニーが首を振る。
まあ彼女はホグワーツ特急の時からずっと心配していたし、とんでもないことをやらかしたのは事実、怒られても仕方がないだろう。

退学にならなかったのが本当に不思議だ。