【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ16)

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「どこかにいるんじゃないの？」

「それがどこにも。」

ジニーが不安そうに言う。
初めてのホグワーツなのに二人のことでかなり不安そうだ。

「私たち出発ギリギリにホームに来たのよ。私の後にロンとハリーが来るはずだったんだけど…もしかしたら乗り遅れたのかもしれない。」

「大丈夫だよ、もし乗りそびれたとしても…他の方法で来るんじゃないかな。ねえ、セドリック。」

「ああ、もし心配なら、一応先生に報告しておこうか？」

ハーマイオニーは頷く。

「そうね、一応伝えておくわ。私達で言っておくから大丈夫…」

二人はそう言って行ってしまった。

「寝坊かな？」

「Aじゃないんだから。」

ハンナに突っ込まれる。
とはいえ少し心配だ。新学期早々に変な事件でも起こさないといいけど……

……

そんな私の不安は現実となる。

ホグワーツではいつもの組み分けの儀式が行われた。学年が上がって初めて組み分けの儀式を見る立場になる。

「なんか懐かしいね。」

「A、信じられないくらい時間がかかってたわよね。」

「そういえばそう…」

ロンの妹、ジニーはグリフィンドール。
フレッドとジョージを中心にグリフィンドール生が大盛り上がりで彼女を迎えている。しかしそこに…ハリーとロンの姿はなかった。

「あれ、やっぱりハリーとロンがいないみたい。」

心配している中、私の耳に届いた噂は……

“ハリーとロンが、空飛ぶ車でホグワーツに到着し、おまけに暴れ柳に墜落させて退校処分だって。”

「えっ？」

私は思わず口に含んでいたジュースを吹き出しそうになった。

「なんて……？空飛ぶ車で突っ込んできた？」

すぐにグリフィンドール寮に駆け込み真偽を確かめたかったが、ハンナに止められ、今日は大人しく自分の寮に向かった。とはいえハッフルパフの談話室でも話題はそれ。

元々、ハリーの噂は年中絶えない。でもどうやら“生き残った男の子”ということを抜きにしても彼の噂のネタは尽きないようだ。

次の日の大広間。
わざわざ二人の元に確認しに向かわなくとも、ロンの吠えメールで何が起きたのか分かった。

「車を盗み出すなんて…退校処分になっても当たり前です！」

ロンのお母さんの声だ。
その声は大広間中に響き、全生徒の耳に嫌でも入り込んできた。

「あの二人…一体何をやってるわけ？」

グリフィンドールのテーブルを見ると、すっかり縮こまった二人の姿が見えた。どうやら二人は無事らしい。私はひとまずほっとしてオートミールを口に運ぶ。

二年生になって最初の授業は薬草学だった。
その時にでも詳しく二人に話を聞いてみようかな……