【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ15)

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「久しぶりだね…！」

聞こえてただろうか……？
セドリックは困ったように微笑む。

「…やっぱりいつになっても寂しいよね、その…家族の元を離れるのって。」

ああ、バッチリ聞かれてたらしい。カッと顔に熱が集まるのを感じた。私は慌ててハンナの後ろに回って顔を隠す。

「セドリック、そのフォローは逆効果だったかも。」

ハンナは笑って私をセドリックの前に突き出した。

「ほらしっかりして。大丈夫、今更よ。去年は医務室が怖いって泣きじゃくってたじゃない。誰もあなたが泣いてたって驚かないわ。」

「いや、それは理由があって。というか勝手に泣き虫キャラにしないでくれる？」

言い訳をする私を見て、セドリックとハンナは笑いをこぼした。初日からこんな調子か…改めて二人に挨拶をして、私たちは一緒のコンパートメントに腰を下ろす。

「A、知ってる？今年の闇の魔術に対する防衛術の先生。」

「ううん、そうか…誰になるんだろう？二人とも知ってるの？」

前年度のクィレル先生は…いや、そこは振り返らなくてもいいか。二人はこくりと頷いて、セドリックが言った。

「ギルデロイ・ロックハート先生だ。」

「…え。」

ロックハートって……あの？
私は今回の教科書のリストを思い出す。なるほど、つまり自分で自分の著作をあんなに指定したってことか？

「なんか、不安だな…」

「あら、まだロックハート先生の本を読んでないの？彼、とっても素晴らしい人よ。」

「げっ…」とは声に出さなかったが、顔に出てたらしい、正面に座っていたセドリックが思わず吹き出した。

「あー、ハンナ…ごめん。先に言っておくと…私はあの人ちょっと苦手かも。」

ハンナは早速ロックハート…ロックハート“先生”の本を広げていて…私の話は聞いてないようだ。

ちょうどその時、やっと列車が動き出した。

「あーあ…始まっちゃったな、新学期。」

私は移り変わる窓の外を眺めてつぶやいた。
少し憂鬱なのは…やっぱりレーヴの力のせいだ。
これのせいで心配事が尽きない。

フラメルさんの言っていた指輪っていうのが、早く手に入れられたらいいんだけどな…

しばらくすると、ノックをする音がしてハーマイオニーとジニーが顔を出した。

「あ、ハーマイオニー、ジニー！」

嬉しくなって喜びの声を出したが、二人はそれどころじゃなかったみたいだ。

「ねえ、ハリーとロンを見てない？列車に乗ってないみたいなの。」

二人にそう聞かれ、駅からずっと一緒だった私たちは顔を見合わせた。

「ええと、ハリー・ポッターと、ロン・ウィーズリーだろ？見てないな。」

私もすぐにハンナ達と合流したので会っていない。