【ハリポタ】胡蝶の夢を見る4 (ページ12)

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「なるほど…あの者達と一緒でしたか。」

ルシウスさんの視線がロンたちの方へ向かい、空気が一瞬凍ったように感じた。…私まで何か言われるのだろうか。

「父上、こいつは…」

心配そうにルシウスさんを見上げるドラコ。
ルシウスさんはドラコにチラリと視線をやると、こちらを見て僅かに微笑む。

「ぜひ今度は我々の邸にも招待したいところですな。」

「え？」

私より先にドラコが驚きの声をあげた。
予想外でしかない返事だった。

「ええと…ありがとうございます。機会があれば是非…」

ロン達がこちらにやってくるのが見えると、マルフォイ親子はその場を立ち去った。

「ではドラコ、今日は先に失礼しよう。」

「…また新学期でな。」

…よく分からないが、ルシウスさんにはいい印象を持って貰えたんだろうか？それならいいんだけど…ウィーズリー一家とも仲直りして欲しい…なんて、彼らの事情に部外者が口を出すことではないか。

「おーい皆、Aがいたよ！」

ジョージが私を見つけて大きな声を出す。

「…こんな所に一人でどうしたんだよ。」

ジョージは黙り込む私の顔を覗き込んできた。
返事がない私を不審に思ったらしい、いつもなら絶対に出さないような優しい声色で聞いてくる。

「もしかして怖かったのか？」

「うん、少しね…」

大人の二人が殴り合いの喧嘩をしていたら、それなりに恐怖を感じるものだと思うのだが……魔法界では違うのだろうか。

ジョージは私を安心させるように明るい声で言う。

「大丈夫だよ、親父は唇を切っただけだし…」

「え、唇切ったの？」

「あーまあ、少しな。」

店を振り向くと、ハーマイオニー夫妻はすっかり怯え、ウィーズリー一家もしょんぼりと肩を落としているのが見える。ああ、誰も得しない争いじゃないか。

「なんで君らの家とマルフォイ一家…そんなに仲悪いの？」

「なんでってそりゃ……」

ジョージの声は、書店から出てきたみんなの声でかき消された。

「さっさと出んかい！」

ハグリットがみんなを連れて書店から出てくる。

「子ども達になんて良いお手本を見せてくれたものですこと！」

モリーさんの怒声が耳の奥にキーンと響いた。しかし、アーサーさんには響いていないらしい。

「まったく、ルシウスめ…」

「でもロックハートは喜んでたみたいだよ。」

「なあ？」と、フレッドがジョージの肩を組み、彼に聞かれてジョージは頷いた。

「ああ、日刊預言者新聞に喧嘩のことを記事にしてくれって頼んでたよ。なんでも宣伝になるって…」