【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ7)

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ブレーズが言いたいのは、私以外にもスリザリン生に嫌われる生徒はいるってことだと思うけど…

「そもそもなんで君までここにいるの？

ブレーズはともかく、なぜノットまで？
彼こそ私をよく思っていない人代表なのに。

「なんでって、君等が僕の隣に座ったんだろ。僕はずっとここにいたさ。」

「A、ノットのやつは放っておけ。少なくとも僕は君が好きだ。それも…」

「ブレーズもなんの用？」

「ひどいな、庇ったのに。」

なんとか宿題の星座図が元に戻る。

「よーし、出来た。」

「なあ、今度また勉強を教えてくれよ。縮み薬がどうも上手くいかないんだ。」

「魔法薬学ならドラコの方が得意じゃない。彼に教わって。」

適当にブレーズの誘いをかわしつつ荷物をまとめると、ブレーズが両手を合わせて頼み込んでくる。

「なら呪文学だ。得意だろ？」

「私、最近調子悪いんだ。自分の教科書を守るので精一杯。」

呪文が上手くコントロールできなくなってしまったのは、指輪の致命的な作用だった。怪我が治った今、早く慣れないともう言い訳ができない。

「じゃあもう行くね、また。」

ノットはチラリと顔を上げ、ブレーズは仕方がなさそうに手を振った。

ノットの言う通り…ではないけれど、ドラコが離れてしまった今、私と唯一親しくしてくれる二人は大事にした方がいいのだろう…ノットに関しては親しくしてくれると言っていいのか微妙だが。

「あ…」

噂をすれば、ドラコとクラッブ、ゴイルが三人並んで廊下私を歩いているのが目に入る。私は慌てて石像の影に身を隠した。

「いいアイディアがある…」

何か嫌な計画をしている顔だ。
3人は立ち止まると顔を突き合わせて話を始めた。

まいったな…彼らが動いてくれないと道を通れないし、今更出て行ったら隠れたことがバレる…

ふと、石像の後ろに違和感を感じて、ここがフレッド達の使っている抜け道の一つであることに気がついた。これは確か…大広間の方まで続いているやつだっけ？

私は見よう見まねで杖を振って見ると、壁の一部がガコンとへっこんだ。

「何か音がしなかったか？」

ドラコの声。
まずい…私は慌ててその抜け道に飛び込んだ。

その先には薄暗い道が続いている…

「大丈夫だよね？」

不安を感じつつ進んでいくと、しばらくして明かりが見えた。突き当たりの割れ目に体を押し込むと…キラキラと太陽の光を反射させる湖の水面が視界に入る。

「あれ、ここ…」

間違えた。
大広間に続いている道ではなく、校舎の外に出る道だ。

「……」

引き返すしかないじゃないか。
がっかりしながら振り返ったその時、司会の隅に真っ黒の影が横切った。

「…ん？」