【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ44)

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【10-4】ページ44

ノットは杖を振ると、３つ離れた本棚から一冊の本を引き寄せた。

「おーすごい。」

彼はパラパラとそのままページをめくり、私の前に下ろした。

「字は読めるんだよな？」

「それ以上馬鹿にしないで…えっと、魔女狩り…？」

目立つ単語を拾うと、ノットは呆れた顔でたった一言、簡潔に説明してくれた。

「ルーアンは有名な“魔女狩り”の地だ。」

……

ノットのおかげで“ルーアン”がなんなのかはすぐに分かった。フランスの地名で、魔女狩りに関することで特に有名。いくつかルーアンに触れている書籍も見つけたが、どれも短くしか書かれていなかった。

要するにルーアンは、ノットの言う通り確かに“有名な魔女狩りの地”…

何が有名なのかといえば、奇妙なことにルーアンの魔女狩りでは“魔女”と言っても、実際に殺されたのは魔女でも魔法使いでもない…“マグル”だったとか。魔女狩りと称して非魔法族が大量に虐殺されたのがルーアンだった。

「……」

“ レーヴはマグルの世界に逃げ込んだ。 ”

“ レーヴ一族はそこで、闇の魔術を生み出し、マグルを襲い始めた。”

血みどろ男爵の話を思い出し確信する。

(ああ、ここは明らかにレーヴとなにか関係がある…)

確か彼は私たちレーヴを魔法使いとマグルの対立を引き起こした火種と言ったけ。…ああ、本当に知りたくないことしか出て来ない。

それに、ルーアン意味は分かっても、なぜそれがレーヴの名に加わるのかは全く分からないままだ。

……

ハンナと一緒に温室で植物の世話をした帰り。
泥だらけになっているハリーの後ろ姿を見つけた。

「ハリー。」

「あっ…A、元気？」

ハリーはグリフィンドールのキャプテンと一緒にいた。確か名前はオリバー・ウッドといったっけ。

「私は元気。すごいね、この土砂降りの中練習してたの？」

ハリーが頷き、代わりにウッドが答えた。

「当たり前だ！たとえ嵐だろうと試合は行われる…練習だって同じだ！」

それは確かにその通りで、この調子だと試合本番だって天気が良いとは限らない。それにセドリックが言うには、グリフィンドールのキャプテンは誰よりも気合いが入っているとのことだし。

「そうだよね、二人ともお疲れ様。」

「ありがとう。あー…ウッド、Aと少し話してから行くよ。先に寮に戻ってて。」

「そうか、分かった。…くれぐれもうちの作戦を漏らすなよ、ハリー。それから明日の練習に備えてしっかり休息もとれ。」

ウッドはハリーにそう言って、廊下に泥水の小さな雫を溢しながら言ってしまった。

「なら私も先に寮に戻ってるわ。ジャスティンに明日の魔法薬学で使う薬草を分ける約束をしてるの。」