【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ43)

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もうすぐクィディッチの開幕試合。
一方で悪天候が続く日々だった。天気の悪さのせいか、最近の出来事のせいか、なんとなく気分が落ち込んだままの毎日。

とにかく一人になりたくて、私は時間を見つけては必要の部屋に足を運んでいた。雑貨の山を整理しながら、最近ちょっと気がついたことがある。

「“ルーアン”ってどういう意味だろう？」

おそらくレーヴ家の学用品の数々。
ここに残された私物の中には、書きかけのレポートや名前入りのトランク等、フルネームが入っているものがいくつか確認できた。

その多くに“ルーアン”という言葉が入っていた。

ダブルネームのようなもの？古ければ古いものほど“ルーアン=レーヴ”と名乗っていることが多いことに気がついた。

謎の共通点に首を傾げながら、どうもその単語が気になって、意味を調べに図書館に向かった。

「あ…ハーマイオニー」

彼女は図書館の奥のテーブルを一人で占領して、分厚い本やうんと長いレポートを並べている。思わずその光景を見ただけで頭痛がしてくるが、ハーマイオニー自身は楽しそうに教科書を読み込んでいた。

数占いの宿題だろうか…あれはハーマイオニーのお気に入りの教科だから…

私は邪魔にならないよう…といっても、ハーマイオニーはこっちに全く気付いていなかったが…彼女から離れいくつかの辞書を探す。

めぼしいものをいくつか選び、座れる場所を見つけ腰を下ろした。すると、同じテーブルでこれまた難しそうな本を読んでいたノットが声を出す。

「僕が座ってるのが見えないか？」

「見えてるよ。空いてるんだからいいでしょ。」

「僕は君の顔を見たくない。」

「はあ！？」

思わず大きめの声が出て、マダム・ピンスの鋭い視線がこちらを向く。

「な、なんでそんなこと言うの？」

「……」

ノットから返事は返ってこなかった。
頭にきた私はムキになって彼の真隣に腰を下ろす。

彼は嫌そうに少し顔を歪めた。
ノットが先に動くまで私は動かないからね。

私も彼を無視して本を広げる。魔法族の主な家名一覧や古い事典など、何か手掛かりがありそうなものを片っ端から集めてひたすらページをめくった。

…

「…なるほどね、魔法史の成績は壊滅的だと聞いてたが…確かにそうらしい。」

私のメモが目に入ったのか、ノットが馬鹿にしたように鼻で笑う。

「なぜそれを調べるのにその時代のもの読んでる？それに分野が全くズレてる。」

「今私の魔法史の成績は関係ないでしょ……待って、ルーアンが分かるの？」

「…君が魔法史の復習をしてたわけじゃないってことも、授業をどれほど聞いてないのかもよくわかった。」

彼は軽蔑しきった顔で私を見た。