【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ42)

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「あいつらの話はしてない！…いいか、君がわざわざこっちに来たって危険な目にあうだけなのは目に見えてる。自主退学は認められるんだ、君はマグルと一緒にいた方がいい！」

そんなに私が嫌になったの？…そう言い返す前にふとドラコの言ってることが気になって首を傾げた。

「…なにそれ、危険な目に遭うって…それってなんか」

まるでただの心配みたいじゃない？
言いかけたその時、ドカンと派手な爆発音がした。

「な、何の音だ！？」

廊下を振り返る私を押し退けて、音のした廊下をドラコは恐る恐る覗き込んだ。彼が廊下に顔を出したその瞬間、今度はドラコの顔面へ何かが直撃した。

「う、うわあ！？」

彼の悲鳴と共に嫌な臭い、そしてどこからか笑い声が響いて来る。

「もしかして…フレッドとジョージ？」

咳き込むドラコの隣から廊下を覗く。
廊下の向こうから現れたのはやっぱり赤毛の双子で、ドラコは喚きながら部屋を飛び出してしまった。

「お前ら、ただじゃおかないぞ！」

走り去っていくドラコ。
双子はケラケラと彼の背中を見送って言った。

「大丈夫か？」

ドラコと、何か話せたかもしれないのに…
複雑な気分で二人を見上げると、申し訳なさそうにジョージが言った。

「部屋に押し込まれてるところが見えたからさ。」

「うん、ありがとう。助かったけど…あそこまでしなくてもいいのに。」

クソ爆弾だよね、ちゃんと臭いは落ちるのかな？
…ドラコへ同情しかけて、私は慌てて頭の中からドラコのことを追い出した。

「…えっと、じゃあ、また。」

彼らに背を向け歩き出すと、双子が慌てて追いかけて来る。

「おい待ってくれよ、話は終わってない。」

「ああ、始まってもないさ。」

「うーん、悪いけど今は誰とも話す気分じゃないんだ。」

足を止めない私に二人は戸惑い左右から声をかけてきた。

「なんだよ、あいつになんか言われたのか？」

とフレッドが怒りを表す。

「ううん、酷いことは言われてない…みたいだよ。」

「でも、泣いただろ？目が赤いような気がするぜ。」

ジョージは私を気遣ってそう言った。

「それは違うの。大丈夫だから気にしないで。」

「無理だ、君が落ち込んでるなら尚更ほっとくわけにはいかない。」

とうとうフレッドが私の前に出て来て道を塞いだ。

「フレッド…」

困って足を止める私にフレッドは自信満々に言う。

「何か悩みがあるなら俺たちに話してくれよ。」

「何もないよ。」

「隠すことないだろ、俺たち…」

「本当に大丈夫なんだって、また今度ね。」

なんとか微笑んでフレッドの傍を通り抜けると、そのまま寮まで走った。