【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ5)

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「あ、待ってセド…」

「ああ、ごめん。何か話があるんだっけ？」

廊下で呼び止めると、セドリックは慌てて振り返る。
セドリックを前にして、私は言葉が出てこなくなってしまった。

「あの、昨日の…」

なんとか言葉を絞り出すが、その先は続かなかった。

「昨日…？」

「…う、なんでもない……」

「…」

セドリックは頷いて黙る。

「…昨日といえば、聞いたよ、またウィーズリーの双子が騒ぎを起こしたって。」

私はドキッとしてセドリックを見た。

「先生方は知らないみたいだけど、君も巻き込まれたんだろう？」

「あー…うん…そう、巻き込まれたの、全部ね。」

私は慌てて頷いた。
あの二人が勝手に飛び回って、花火を打ち飛ばして、…頬にちゅーして……いや、だからそれはセドリックに関係なくて…でも…

謎の罪悪感やら焦りやらで頭が混乱し始める。

「…そうだ。よければ、今度、クィディッチの練習試合に…来ないか？」

セドリックは混乱している私を見て、唐突に言った。

「え…？」

「一緒にクィディッチをするって約束、したよね？」

私は首を縦に振る。

「うん、行く。絶対行く。」

「よかった…また計画を立てておくよ…じゃあ。」

セドリックそう言って次の授業へと向かってしまった。
…よく分からないが、ほっと胸を撫で下ろす。

「………」

セドリックは気にしてない？見てなかった？
どちらにせよ、彼のことを考えると、なんだか胸がぎゅっと締められるような気分だった。

そして次の瞬間、私は頭を抱えた。
私…“もしかして”じゃなくて…“ちゃんと”セドリックが好きなんじゃない？

近くの肖像画と目が合うと、ぐるぐると顔色を変える私を見てニヤニヤとその婦人が声をかけてくる。

「若いっていいわねえ。」

「……」

違う…
ただ、誤解されるのが嫌だっただけだ。
多分、きっとそう。

私も慌てて寮に急いだ。