【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ34)

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すっかり体も温まり笑い疲れた頃、三本の箒を出ると外の風が涼しく感じ背中を丸める。

「あー楽しかった…」

フレッドとジョージがぎゅっと体を寄せてくる。
風除けにちょうど良くて、私は2人が寄ってくるのをそのままにしておいた。

「暗くなってきたしそろそろ帰えるか。今日はハロウィーンだしな。」

フレッドの声に同意して、ちらほら帰路に着く学生達に混じる。ちょうど向かいの道からドラコ達の集団がやって来るのが見えた。ドラコはクラッブとゴイルに楽しそうに語りかけている。

「何を見てるんだ？」

ジョージが私の視線に気がついて言った。

「あ…いや、何も。」

私が視線を逸らすよりも速く、双子が私の視線を辿りドラコ達を発見する。

「また他の男を見てるってわけか。」

「僕たちがいるのに？」

フレッドの叫びにジョージが続き、2人揃ってドラコへ厳しい視線を向けた。

「別にいいでしょ、友達なんだから。」

今にもドラコに突っかかりそうな二人を引っ張り、彼がこっちに気づく前に距離をとってから気づく。私ってばまだドラコを友達だと思ってる。

私ばっかり…バカだなあ。

恐る恐るもう一度ドラコを見ると、何やら三人と盛り上がっている様子だ。

「……」

「…あんまり気にするな。考えが違うとどうしたって上手くいかないこともあるさ。君は悪くない。」

「そう思う？」

突然ジョージに慰められ彼の顔を見上げる。

「おい、一人だけ株を上げようとしてるな兄弟。」

フレッドがそう突っ込んでその話は終わってしまった。
双子が仲良く絡んでいるのを横目に私はため息をつく。
…今度、もう一度だけ声をかけてみようかな。

校舎が見えもうすぐホグワーツに帰ってくるというところで、生徒達の間を真っ黒な何かが横切った気がした。

「？」

誰かが何か落としたんだろうか？
ふと気になって、物陰が向かった方向に目をやると、茂みの中から真っ黒な尻尾が出ているのが見えた。瞬きをした次の瞬間、その尻尾は茂みの中へと引っ込む。

ブラックだ…！

私は反射的にそう悟った。ルーピン先生のことを思い出し、駆けつけたくなるのをグッと堪える。

生きてた。
以前と変わらず痩せ細ったシルエットだったけど…食べ物にちゃんとありつけてるかな？そう思いつつ、ブラックが消えていった茂みを目で追う。

「今度はなんだ？」

フレッドが私の方に顔を近づけ視線を辿った。

「ただその…何か動物がいたような気がして……」