【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ32)

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三本の箒も人でごった返していた。人以外の種族もちらほら…ハニーデュークスやゾンコとはまた違った雰囲気のある賑やかなパブだった。

フレッドと一緒に席をとりに行く間、ジョージがバタービールを買いに行ってくれる。

「ここでいいよな？ちょっと狭いけど…詰めればいいし、暖炉が近くてちょうどいい。」

「うん。」

頷いて腰を下ろし、ジョージが来るのを待った。

「なあ、唐突だけど。今度はおれと一緒にホグズミードに来ないか？」

私は首を傾げた。
まさに現在進行形で一緒に来ているではないか。

「一緒に来てるじゃない。」

「ジョージがいるだろ、それにさっきはロン達も。二人きりでってことだよ。」

「フレッドと二人で？」

「ああ、分かるだろ？デートの誘いさ。」

フレッドの話の途中、見覚えのある後ろ姿が視界に入った。

「あ…セドだ。」

「セド…？」

フレッドもセドリックを振り返った時、セドリックもこちらを向いた。

「セド…ってまさかディゴリーのことか？」

ボソリと呟くフレッド。
セドリックは同学年の友人達と来ていたようだ。

「おーい！」

こちらに気がついたセドリックに手を振ってみると、彼は友達を連れてこちらにやってきた。

「A、ウィーズリーと…来てたのか。」

「というかさっきゾンコで会ったんだ。」

「ああ、そうか…ウィーズリー達はゾンコの常連らしいな。バタービールはこれから？」

「おいおい、ディゴリー、邪魔しないでくれよ。」

隣の空いた席に腰を下ろし始めるセドリック達を見て、フレッドは信じられないって顔で言った。

「えっと…ここに座ったらまずい…かな？せっかくだし一緒に飲まないか？」

困惑するセドリックの背後で、セドリックの友人たちが修羅場だなんだと囁いていた。

「大丈夫だよ、いいよねフレッド？」

私はそう言ってフレッドを見る。
しかしフレッドはクビを横に振った。

「ダメだダメだ。やっと二人きりになれたってのに。」

そして席を立ち上がると、私の手を引いて別の席を探し始めた。私は慌ててセドリック達に手を振った。

「ひどいもんだぜ、相棒のジョージまで抜け駆けしてたらしいし…気が抜けないな。」

ぶつぶつと不満げに呟くフレッド。
よく分からないけど、そんなにセドリックと一緒が嫌だなんて思いもしなかった。困惑しながらもフレッドを追いかける。