【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ31)

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【9-1】ブラックの影ページ31

ゾンコでの買い物が終わり、いつの間にか双子達の姿も見えなくなっていてホッとして店を出た。

「ハリーにも見せてあげなきゃ…」

すると、フレッドとジョージが待ち伏せするように店の前に立っているのが見えた。さっさくゾンコの商品を試していたらしいが…なんだか嫌な予感がしてハーマイオニーを振り返る。

「えっと、次はどこに行くって言ってたっけ？」

ハーマイオニーの返事を遮って、寄って来たフレッドが言った。

「やあ、Aを借りていいか？」

「…えっと、私はいいけれど、まずはAの返事を聞くべきだと思うわ。」

ハーマイオニーの至極真っ当な返答を流し、フレッドは私の肩を抱いた。

「これからは僕らがホグズミードを案内しよう。NOとは言わせないぜ。」

「君の返事を聞かないのは君がNOしか言わないからだ。」

逃げられないことを悟った私はロンとハーマイオニーを振り返る。

「確定事項らしい…また後でね…」

ロンが同情しきった感じで頷く。
ゾンコで購入した悪戯グッズが早速役に立つかもしれない。そう思うと双子と共に行動するのも悪くなさそうに思えた。

「さて、ハニーデュークスとゾンコは試したな？なら今度は三本の箒だ。」

道の先を指さして二人が歩き始め、私は後を追う。

「なんで毎回私に構うのかな。」

答えは分かりきっていたけど口にした。
双子は立ち止まって私を見た。そしてお互いの顔に視線を向けると交互に言葉を繋げる。

「それは、君が…」

「僕らにとって」

二人はにっと笑って囁く。

「“特別な子”」

「…だからさ！」

悪戯の仕掛けがいがある特別なおもちゃってところだろう。

「そうだよね。」

想定通りの答えに適当に相槌を打つと、双子にとって私の反応は予想外だったのか、2人は顔を見合わせ不思議そうに首を傾げた。

私はそんな2人の間を通り抜けて先を進む。

「早く行こう、置いて行くよ。」

納得いかなそうに二人がぶつぶつと会話しながら追いかけてくる。

「ジョージ、おれを裏切って抜け駆けした割に君の気持ちは何一つ伝わってないみたいだぞ。」

「根に持つなよフレッド。それに伝わってないのはおれの気持ちだけじゃないぞ。おれたちだ。」