【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ30)

今日:123 hit、昨日:29 hit、合計:17,984 hit

【8-10】ページ30

ロンとハーマイオニーも双子に気付きやってくる。ロンは私とジョージが並んで立ってるのを見て気まずそうに目を逸らした。

「……？」

「ロニー坊やに叱られたんだ。」

ロンの視線にジョージがそう言ってこちらを向く。

「叱られた？」

「この前のこと、ロンに話したろ？ふざけすぎだって言われたよ。まあ、ふざけてるつもりは全くないけど、君が困ってるって。」

悪戯っぽい笑みを浮かべるジョージ。
ロンを振り返ると、彼は気まずそうに苦笑いした。その横ではハーマイオニーが不思議そうに首を傾げている。

「えーっと、例のこと？」

そういえばロンに愚痴りながら相談してたっけ。
ロンは双子に忠告しておいてくれたらしい。

「ああ、悪かった。今後は君を困らせることはしない。これでも反省してるんだ。」

確かに申し訳なさそうなジョージ。
彼が本当に反省したかどうかは分からなかったが、私は頷いた。

「いいの。いや、良くはないけど…もう気にしてないから。」

それよりみんなに知られて変に揶揄われる方が恥ずかしい。ハーマイオニーはいったい何があったのか、今にも聞きたそうな顔をしてるし。

いつの間にフレッドはリー・ジョーダンと合流していた。

「ジョージ、見てくれよ。リーがゾンコの新商品を見つけてきた。試す価値があると思わないか？」

フレッドとジョージが顔を見合わせ…その後同時に私を見た。

「彼女で試してみるか？」

「こらこら、聞こえてますけど。」

フレッドはともかく、ジョージは数秒前に困らせることはしないって言ってなかった？やっぱりあてにならないな…彼らと大真面目に付き合っている方が馬鹿らしい。

双子達から逃げるようにロンとハーマイオニーの元に戻る。たまには双子にやり返してやろうか、そう思って私もゾンコの商品を眺める。

「ねえ、A。」

ロンが気まずそうに声をかけてきた。

「どうしたの？」

「本当に気にしてないの？ほら、ジョージの…というか、あの二人の悪戯にさ。」

「気にしてない、ってわけでもないけど。」

私は溜息混じりに答えた。

「あの二人はそういう人達ってもう気にしないことにしたの。ただ私を揶揄うのが好きみたいだし…」

キスの一つや二つで大騒ぎしていては、あの二人の思惑通りだ。私が慌てて怒る姿が大好きで、それを見るための行為にそれ以上の意味はない。

「だからあの二人に仕返ししたいんだけど…ロン、おすすめはない？」

ロンを振り返ると微妙な顔をして彼が呟く。

「こっちも前途多難って感じ…」

私はロンのアドバイスを聞きつつ、仕返し用にいくつかめぼしい商品を買い揃えた。