【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ26)

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「まあ、歯磨き糸ようじ型ミントですって！」

ハーマイオニーはハリーへのお土産にと色々なお菓子を物色していた。彼女の手にはすでに様々なお菓子が握られている。

「ほら、これを見て2人とも。興味深いとは思わない？黒胡椒キャンディよ。」

「これ、火を吐けるキャンディだよ。僕食べたことがある。昔、兄貴がくれたんだ。」

ハーマイオニーもロンもテンションが上がっているのが分かった。

「ジニーにも何か買って行ったらどうかな。」

「うん、そうするよ。あいつはこれが好きなんだ。でもA、自分の分を選ぶのを忘れるんじゃないぞ！」

2人に限らず店内にいる生徒はみんなそうだった。面白い効果のあるお菓子たちはもちろん、大きなクリーム入りのチョコレートや色鮮やかなキャンディなどなど…美味しそうなお菓子もたくさん並んでいた。

これらを前にして冷静さを保つなんて難しい話だ。

「A、ハーマイオニー、あれ見てよ！」

ロンが新しい試食を配っているのを見つけ、私の手を引っ張る。新商品のヌガーらしい。

「わ、美味しそう…」

「そんなに食べて大丈夫なの？虫歯になっても知らないわよ。」

両頬にヌガーを詰め込んだ私を見て、ハーマイオニーは呆れてため息を吐いた。

「大丈夫だよ、歯はちゃんと磨いてるし…こっちは私の分じゃなくてお土産なんだ。」

ホグズミードには色々お店があるのは知っているが、ここにいるだけで一日時間が潰せてしまいそうだった。私はロンとハーマイオニーを引っ張って新しい棚を指差す。

「ねえ、これは？こっちの砂糖羽ペンってどうかな？」

「羽根ペンそっくりだな、まるで本物じゃないか。」

「あなた、授業中に食べるつもりじゃないでしょうね。」

ハーマイオニーに考えていたことを見透かされ狼狽える。

「そ、そんなことしないよ…！ただビンズ先生は絶対に気が付かないだろうなって思っただけだよ…」

すでに居眠りの時間になっているのだから、砂糖を舐めていようが私の成績にさほど影響はないはずだ。それにあの退屈な授業でも菓子を食べられたら…少しはマシになる。

三人でお金を出し合って、ハリーのお土産にハニーデュークスのお菓子をいくつか選ぶ。これで喜んでくれたらいいけど…

「ハリーは今頃何してるかな？」

一人残ったハリーのことを考えると、やっぱり胸がチクリと痛んだ。