【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ21)

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【8-1】特別なお菓子ページ21

次の日、午前中の授業が終わると、私は昨晩作ったスイーツを両手にスネイプ先生の部屋を訪れた。スネイプ先生はこれを見てどんな反応をするだろう？

「スネイプ先生〜！」

ノックもせずにドアを開けると、先生は薬の調合しているのか、大鍋をかき混ぜて何かを煮込んで入るところだった。

「我輩は今忙しいのだが。」

スネイプ先生はゆっくりと顔を上げた。そう言いつつも、ティーセットを取り出して私が座れるように椅子とテーブルの上に空きを作ってくれる。

「見てください、昨日作ったんです。」

テーブルの上にお菓子を広げる。
山盛りのクッキーと、しもべ妖精に冷やして貰っておいたアイスクリーム。

「それはそれは。」

自信たっぷりに持ってきたお菓子を並べると、先生はそれを一瞥して言った。

「菓子作りに割く時間があるようなら、少しは呪文の練習に力を入れて欲しいものですな。」

ぎく…
私は慌てて目を逸らす…指輪をつけた状態で魔法を扱うのにはまだ慣れない。練習をしてないわけじゃないが全然上手くいかないのだ。

「じゅ、呪文の練習の前に一息つきませんか？ほら、アイスクリームが溶けちゃうし…」

カチカチに凍らせてきたチョコミントのアイスクリーム。
スネイプ先生は興味深そうにそれを見つめ、大人しく腰を下ろした。

「…ふ、」

「何かね？」

思わず笑うと、怪訝そうな表情をこちらに向ける先生。

「いいえ、なんでも。」

「そなたは我輩を揶揄うのがお好きなようだ。」

「揶揄ってないですよ。ほら、食べてみて！」

彼は不満そうに私が取り分けたアイスクリームを口に運んだ。一見、表情が変わらないように見えるが、僅かに口角が上がったのが分かる。

よかった、口に合ったみたい。

「そうだ、先生。この前トレローニー先生が占ってくれたんですけど…」

しばらくスネイプ先生と占い学の授業のことを話していると、ノックと共に扉が開きルーピン先生が顔を出した。

「やあ、セブルスにA。」

ルーピン先生の姿にドキリとするが、先生の方はこの前のことをもう気にしていないらしく、いつものように微笑んでいる。スネイプ先生は不満いっぱいの表情を浮かべた。

「珍しく賑やかな声が聞こえてきたから…君が来てるんだろうってすぐに分かったよ。」

「こんにちは、ルーピン先生。」

挨拶をする私を遮ってスネイプ先生が言った。

「例の物なら今夜中に。」

「ありがとうセブルス、それを聞きたかったんだ。…ところで何を食べてるんだい？」

ルーピン先生は私たちが食べているアイスクリームに視線を向ける。

「アイスとクッキーですよ。私が育てているミントで作ったんです。」