【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ14)

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「……セド？」

視線を感じて見上げると、こっちを見たまま無言で固まってるセドリックの姿があった。

「どうしたの？」

「いや、…あー……」

なんだか挙動不審な動きをしているけど…
セドリックの視線は私の頬に向かってるようだった。

「なんか…顔についてる？」

「なんでもない、」

「……？」

慌てて部屋を飛び出したセドリックと一緒に大広間に向かう。いったいどうしたんだろう？ちょうど大広間から出てきたスプラウト先生がセドリックを呼ぶ。

「ああ、探してましたよ、監督生。」

「ごめん、僕行かなきゃ…」

「うん、また…！」

小走りで去っていくセドリックの背中を見送る。
忙しいのに秘密の部屋の探索に付き合わせちゃって悪いな…

……

1人で大広間に足を踏み入れると、私を呼ぶ声に顔を上げる。

「おーい、A。こっちだ。」

スリザリンのテーブル。
声の主はブレーズだった。

「なに？」

素直に彼の元に近づくと、一緒のテーブルにいたドラコが顔を曇らせる。

「ああ、悪い場所を変えよう。」

ブレーズは慌てて立ち上がり、私の手を取った。
そして少し離れたテーブルに移動すると腰を下ろす。

「えっと、何…？」

「一緒に食べない？」

それを先に言ってくれないと、今更断り辛いじゃないか。
私は「いいよ」と頷いて腰を下ろした。別に誰かと食べる予定もなかったし。

「最近の調子は？」

チキンのパイを食べながら、彼の雑談に付き合う。

「うーん、良くはない。大事なものは失くすし、相変わらず呪文は失敗するし。」

思わず思いため息が出る。
指輪を手に入れて、やっと全部上手くいくと思ったのに、そう簡単にはいかないか。

「ブレーズは？何かいいことあった？」

近くを通り過ぎていくパンジーからはトゲトゲした視線を感じ、もう一度ため息を吐いた。

「どうだろうな。なあ、もうすぐハロウィーンな訳だけど、一緒にホグズミードに行かないか？」

サラッと誘われて、思わず承諾しそうになるのを踏み止まる。黙り込む私に変わって、誰かが背後から返事をした。

「駄目だよ、僕らと約束してるんだから。」

びっくりして振り返るとフレッドとジョージだった。

「やあ、A。」

ひらひらと手を振るジョージ。

「ど、どうしたの2人とも…」

「君が僕らを置いて、別の奴の誘いに乗るんじゃないかと思って。」

フレッドがそう言ってブレーズに視線を向ける。そういえばフレッドたちにも誘われてたんだっけ…ブレーズは驚いてその場にポカンと固まっていた。

「えっと、ホ、ホグズミードには…」