【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ13)

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少々落ち込みながら談話室に顔を出すと、すでにセドリックが待っていた。

「ごめん、待たせちゃったね。」

「大丈夫だよ。実は話があるんだ…」

教科書を片付け、寮を出る時、セドリックが言った。
なんだか真面目な話みたい、深刻な表情で口を開く。

「話って？」

「ああ、監督生のミーティングで、先生方からお達しがあった。」

「え、お達し…？」

「ああ、君が夜間学校を出歩かないよう、注意深く見張れってね。」

「えっ？」

先生方が私を見張れって？

「な、なんで…？」

「それが詳しく話してはくれなかったんだ。でもまあ…昨日も夜遅くまで出歩いていたみたいだし…何か心当たりがあるんじゃないか？」

「……ああ、」

確かに昨晩のことは怒られても仕方がないと思うけど…そんな先生に目をつけられるようなことだったかと言われれば…

それともこの前、双子と空を飛び回った件だろうか。

「…心当たり、割とあるかも。き、気をつける…ごめんセド、忠告ありがとう。」

「まあ、僕も先生方と同意見だ。君は危なっかしいから。」

セドリックと話していると例の部屋はすぐだった。

「僕と一緒なら問題ないはずだよ。好きなだけ見てまわっていい。」

石壁に現れた扉。部屋に入ると、やっぱり学用品の山が現れた。恐らくホグワーツに通ったレーヴ一族の私物。

「でも、その間セドは…？」

「僕はここで勉強でもしてるよ。ほら、机と椅子が出てくるんだ。」

部屋の端にちょっと勉強するのにぴったりなスペースが出来上がっていた。

「付き合ってくれてありがとう。」

礼を言って、私はガラクタの山に手をつける。
どれも一見、ただの学用品。

杖を握りしめながら、何か隠されたものはないかと漁ってみるが、どれも特に何もなかった。

1時間くらい経っただろうか。

「セド、今日はもう大丈夫。続きはまた今度にしよう。お腹減っちゃった。」

「ああ、そうだね。」

セドリックは腰を上げ、伸びをする。

それにしても……不思議な部屋だな。
私は広い部屋をぐるりと見回した。

「必要の部屋というらしい。」

「必要の部屋？」

セドリックは広げた本を片付けながら、この部屋の仕組みを教えてくれた。

「本当に必要としている者の前に現れ、願いに反応して中には必要とするものが揃う…あったりなかったり部屋とも言われてるらしいよ。」

「あったりなかったり部屋か…私たちがレーヴについて何か手がかりが欲しいって願っていたのが伝わったってこと？」

「そうみたいだね。」

願いによって姿を変えるだなんて…なんて面白いんだろう。