【ハリポタ】胡蝶の夢を見る9 (ページ2)

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「ほら、ホグズミードがあっちにある。君も行くんだろ？」

フレッドは一方を指差して言った。

「うん、今からハロウィーンが楽しみだな…聞くまでもないけどフレッド達はゾンコに行くんでしょ。」

ビュンと冷たい空気を切りながら宙を飛び回る。
普段この時期にホグワーツの外に出ることも、箒に乗って城を見下ろすこともほとんど無いことだから新鮮だ。

「君はどうしたい？」

「え？」

「実は君と一緒に過ごしたいと思ってさ。」

フレッドがスピードを落とすのと、強風が吹いたタイミングが運悪く重なった。私たちの箒が一瞬ぐらつき、フレッドが慌ててバランスを取り戻した。

「ごめん、なんて？」

「君をホグズミードに誘ってる。」

肩越しにフレッドを振り返ると、彼はニッと悪戯な笑みを浮かべていた。

「おい、抜け駆けは聞いてないぞ。」

ジョージが私たちの周りをくるりと一回転しながら口を挟む。彼は羊皮紙を手に持ち、広げながら言った。

「それより相棒、案外早く見つかったみたいだぜ、時間だ。」

「よし、Aがいるのがバレないうちに撤収だ。A、しっかり俺に捕まれ！」

フレッドはそう言って中庭に向かって急降下を始めた。

「うわっなに急に！」

忙しなく、まさにゆっくりと息をつく暇もない。
私は慌ててフレッドの腕にしがみついた。

「スネイプとフィルチだ。地下から上がって来るぞ。」

ジョージがフレッドに言った。

「先生がこっちに…」

よく考えなくても分かることだ。
いったいいくつの校則を破っているのか想像つかない。
見つかれば三人揃って重い罰を与えられるに決まっている。

…

やっと地面に足がついたかと思うと、今度はジョージが私の腕を掴み引っ張った。

「今度は何？」

ジョージは羊皮紙を小脇に挟んで、近くの肖像画の裏を覗き込んでいる。一方フレッドは裏庭で何かを仕掛けているのが見えた。

「フレッドは？」

「フレッドは囮担当だ。」

まるで最初から計画していたことみたいに、ジョージは私を連れて抜け道を進んで行った。

「もしかしてだけど、最初からセドリックと会うの邪魔しようとしてた？」

ジョージはチラリと振り返ると、にっと口角を上げていった。

「さあ、どうだと思う？」

「…全く、二人といると全然気が休まらない。」

「それって褒め言葉？」

「そうだね。」

ジョージは私の嫌味で笑いを溢すと、突き当たりで足を止め再び羊皮紙を取り出した。

「何を見てるの？」

「僕たちの成功の秘訣さ。」

「なにそれ？」

ジョージは何かを確認すると、杖を取り出して呪文を唱えた。壁に穴が開き、ハッフルパフ寮のすぐ目の前の廊下へ出た。