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61.カレー ページ15
『はーい、出来たよ』
「待ってました！」
二人分のカレーをダイニングテーブルに置く。
美味そー、とかなんとか呟いている廉くん。
『いただきます』
「あ、…いただきまーす」
カチャカチャと、食器とスプーンがぶつかり合う音だけが部屋に響く。お互い、無言のまま。
そんな雰囲気を破ったのは私だった。
『あのさ、いっつも廉くんご飯どうしてるの？』
「飯？」
『だって、そのー、料理出来ないみたいだし。
自炊は無理だよね」
「おん、まあな。
俺、見た通り料理出来ひんからさ、コンビニの弁当とか適当に買って食っとる」
あー、やっぱり。
『やっぱりね、だと思った。
でも、コンビニのお弁当だけだと飽きない？』
「おん。飽きるで。
でも、作ってくれる人居らんし仕方ないんちゃう」
ずっと気になっていた。
『お母さん……、とかは？』
この家に両親がいない理由。
あの質問をした時の廉くんの顔が
「別々で暮らしとる」
忘れられない。
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作者名：真凜 | 作成日時：2017年8月10日 2時
